英下院議員、刺殺される イスラム過激派思想の25歳男を逮捕、テロと断定 5年前にも同様の事件

2021年10月16日 19時44分
エイメス氏=AP

エイメス氏=AP

 【ロンドン=藤沢有哉】英南東部リー・オン・シーの教会で15日、地元有権者らとの集会を開いていた英与党保守党のデービッド・エイメス下院議員(69)が刺殺された。警察当局は現場にいた男(25)を殺人容疑で逮捕し、テロ事件と断定。英国では5年前にも、下院議員が同様の集会会場近くで殺害されている。有権者と対話形式による政治活動の安全確保に懸念が広がっており、政府と下院は対策の検討に入った。
 英紙タイムズによると、男はソマリア系英国人で、イスラム教徒。エイメス氏は複数箇所を刺され、凶器とみられるナイフが現場で回収された。捜査を主導するロンドン警視庁の対テロ部門は声明で「初期の捜査で、イスラム過激主義に関連する潜在的な動機が明らかになった」と公表した。
 英国では中部リーズ近郊で2016年、移民・難民の受け入れを訴えていた労働党のジョー・コックス下院議員=当時(41)=が極右思想に感化された男に殺される事件が発生。出席予定だった有権者との集会会場で襲撃されており、議員活動での安全確保が課題となっていた。
 5年間で2人の下院議員が殺害される事態に議員の間にも困惑が広がった。英メディアによると、ある保守党議員は有権者との対面集会を控えることを勧め「オンラインで可能だし、電話でも多くを達成できる」と強調。別の保守党議員は「安全上のリスクは仕事の一部だ」とし、市民との距離を広げないことの重要性を訴えた。
 ホイル下院議長は「何事も民主主義を止めることはできない。有権者が議員に課した務めは、有権者と会って語って彼らの意見を議会に伝えることだ」と、数日中に安全対策などを議論する考えを表明。同氏と15日に協議したパテル内相も、議員の安全体制の再調査を警察に指示した。

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