「ファーストの会」荒木代表、会見も開かず立ち去る 衆院選の候補者擁立断念

2021年10月16日 17時07分
記者団の取材を受け、立ち去ろうとするファーストの会代表の荒木千陽都議=15日、東京都議会で

記者団の取材を受け、立ち去ろうとするファーストの会代表の荒木千陽都議=15日、東京都議会で

 東京都議会から国政進出を目指した政治団体「ファーストの会」は15日、公示が目前に迫った衆院選で候補者の擁立を断念した。華々しい設立会見から2週間足らずでの撤退。代表を務める荒木千陽ちはる都議(39)はこの間、再三の取材に「詳しくは後日」と繰り返すばかり。結局最後まで十分な説明は聞けなかった。(加藤健太)
 15日午後7時前、照明が落とされて薄暗くなった議事堂の廊下に、帰途に就く荒木氏が現れた。登庁を知らせる名前のランプは消えていたはずだ。身を隠したい事情があったのだろうか。「プレスリリースの通りです」と言い残し、足早に立ち去ろうとする荒木氏を記者団が呼び止めた。
 荒木氏はしぶしぶ取材に応じ、「総合的に判断して擁立を見送った」「来るべき選挙に向けて頑張りたい」と淡々と答えた。質疑を一方的に切り上げた後、「本来は会見を開いて説明するべきでしょう」と迫る記者団を振り切り、立ち去った。
 荒木氏は3日、当初の予定を1日前倒ししてファーストの会の設立を発表した。都内のホテルで記者会見し、カメラのフラッシュを浴びながら「都政にとどまっていては東京の未来を切り開けない」と国政に打って出る決意を示した。
 ただ、会見が見切り発車だったのか、肝心な政策や役員体制は「後日」と述べるにとどまった。翌日以降、都議会定例会に出席するため登庁した荒木氏に再三にわたって取材を試みたが、一度も立ち止まることなく、やはり「後日」という言葉しか聞けなかった。
 定例会の開会中に発言すれば、「都政をおろそかにしている」と、他の会派から議場で突っ込まれてしまう。そんな思惑もあったかもしれない。閉会した13日、本会議終了直後ならばと記者団も期待して群がったが、向き合った荒木氏は「ちょっと待って」とその場をしのぐようにきびすを返したまま、姿を現さなかった。
 荒木氏はA4判1枚にまとめたプレスリリースで「活動を一層強化し実りある結果を目指していく」と今後に向けて決意を示した。衆院選を前に吹いた新しい風に、期待した都民はいるはずだ。批判を受ける局面でも矢面に立って説明するのが政党を率いるリーダーの責務であり、それを欠いた感は否めない。

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