<新型コロナ>感染拡大 雇い止め連鎖 非正規含め失職1000人迫る

2020年3月31日 02時00分

ホンダの下請け部品工場で働く日系派遣社員が渡された雇い止め通知書。3月末での契約終了が記された=一部画像処理

 新型コロナウイルスの感染拡大で、派遣や契約社員など非正規社員が、契約更新されず「雇い止め」されるケースが増えてきた。年度末の31日で職を失う人も多い。2008年のリーマン・ショック時には、職だけでなく住居まで失った非正規の人々で「年越し派遣村」ができる事態になった。当時に比べ、非正規労働者の割合はさらに上昇しており、雇用危機が迫っている。 (池尾伸一)
 「三月末の契約満了をもって更新しない」。三重県にあるホンダの下請け部品会社で派遣社員として二年半働いてきた日系フィリピン人男性(36)は、派遣元の会社から「雇い止め」通告を受けた。「コロナの影響で生産を縮小する」との理由。「だが、三人目の子どもが生まれたばかりで家族五人、路頭に迷ってしまう」(男性)。外部の組合に加入し、通告撤回を求め交渉中だ。同社ではすでに約三十人の派遣社員が通告を受け職を失った。
 三カ月や一年単位の契約を繰り返して働く非正規社員。不況時には契約を更新されない雇い止めに遭ったり、契約途中で解雇されたりすることが多い。
 いま連合や全労連など労組には相談が急増中だ。「勤め先の日本語学校から生徒数激減で三月いっぱいでやめてもらうといわれた」(非常勤講師)、「派遣元から三月で契約終了と通告された」(障害者施設の派遣・マイクロバス運転手)などで、厚生労働省の直近のまとめでも新型コロナで解雇や雇い止めが確定した人は九百九十四人に上る。
 政府は経済対策をとりまとめ始めたが、給付など実際の支出が始まるのは五月にずれ込む公算だ。労働者らの相談に乗るユニオンみえ(津市)の神部紅(じんぶあかい)書記長は「今日にも職を失う非正規の人が増えているのに、お金が入るのが数カ月先では間に合わない。すぐに現金が渡る対策を早急に打ち出すべきだ」と訴える。
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