立民と共産の候補者一本化、8割の首都圏選挙区で 思惑一致で「野党共闘」なるか?

2021年10月16日 19時59分
 19日に公示される衆院選で、首都圏でも立憲民主党と共産党の候補者調整が、直前になって一気に進んだ。東京、神奈川、埼玉、千葉の4都県では計71選挙区中、8割にあたる57選挙区で競合を回避する形に。両党の選挙区事情が合致したケースの一方、内情は温度差がかいまみえる選挙区も。党幹部らは「力を合わせて小選挙区で勝利を」と意気込みをみせるが、共闘がどこまで深まるか注目される。(衆院選取材班)

野党統一候補の擁立を進め、集会で気勢を上げる立憲民主の長妻氏(中央左)と共産の小池氏(同右)ら=15日、東京都千代田区で

 「東京4区で立民に譲っていただき、共産は15区と23区で取り下げた。双方の立場を尊重しながら小選挙区の勝利を目指す」
 15日に都内で開かれた市民グループ「市民と野党をつなぐ会@東京」の集会で、共産の小池晃書記局長が力説した。東京4区(大田区の大部分)は共産が重点候補としていた新人と、立民の元職が競合。それが急転直下、立民元職は15区(江東区)へ転出し、共産が同区で予定していた新人を比例単独に回し、一気に3選挙区で一本化が進んでいた。
 15区の立民会派で活動していた無所属前職が、今月になって与党系無所属に転身したことがきっかけ。立民が対抗馬として4区の元職をぶつけることになり、4区を共産に譲る代わりに、立民前職がいる23区(町田市など)から共産が降りる「バーター」が成立したのだ。8区(杉並区の大部分など)も一時、立民、共産、れいわ新選組が並ぶ格好になり混乱したが、最終的に立民新人に落ち着いた。
 互いの思惑が一致したケースは千葉でも。
 一本化が成立していた千葉6区(市川市の一部など)の立民ベテラン前職が、衆院解散直前に問題発言で事実上の公認取り消しとなって、後任問題が浮上。立民内が対応に苦慮していたところ、競合区の隣の5区(同)から共産新人が6区に移ることで、両選挙区が一本化に。さらに7区(野田市など)と8区(我孫子市など)で共産が退いて、一本化選挙区は3つ増えた。
 一方で、立共の共闘に、実態がどこまで伴っているのか見えにくい面もある。
 埼玉県内のある選挙区では、もともと保守系だった立民前職が、共産との共闘を不安視。陣営は「逃げる票もあり、純粋にプラスにならないのでは」と漏らす。逆に立民側が共闘をアピールしても、共産支持者側が難色を示している選挙区もある。神奈川県内ではそもそも、小選挙区当選が視野に入る立民前職が、保守色の強さから一本化に至らなかった。
 社民、れいわとは競合する選挙区もあり、15日の集会で、主催者からは「もう少し頑張っていただけるとありがたい」との声も漏れた。

 首都圏の立民と共産の擁立状況 東京は25選挙区中21、神奈川は18選挙区中14、埼玉は15選挙区中11、千葉は13選挙区中11選挙区で競合していない。2選挙区は両党が擁立を見送っており、競合は12選挙区にとどまる。埼玉では立民と国民民主党が連携する選挙区もある。前回は、旧民進党の分裂先だった旧希望の党があったため、立民、共産、希望の3党のいずれか同士が競合したのは、計71選挙区中64選挙区に上った。


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