衆院選の野党共闘、千葉県内で一気に加速 発端は生方幸夫さんの「拉致被害者で生きている人はいない」発言

2021年10月17日 07時35分

野党共闘が実現した千葉8区で集会をする立候補予定者(左)=柏市で

 十九日公示の衆院選で、立憲民主党と共産党が軸となった千葉県内の野党共闘の動きが、解散直前に一気に加速した。停滞気味の協議を動かしたのは、千葉6区から無所属で出馬予定の生方幸夫さん(73)の北朝鮮による日本人拉致被害者に対する問題発言による騒動だった。(中谷秀樹)
 県内の野党共闘はこれまで、立民前職が立候補予定の選挙区では共産が出馬しないことが軸となっていた。立民の前職が不在の千葉5、7、8区は両党の候補者が相次ぎ出馬表明しており、調整が懸案だった。
 共産党県委員会の小倉忠平委員長によると、解散直前まで共産は5区について党公認の新人で知名度がある浅野史子さん(51)の一本化が望ましいと、立民に新人候補の取り下げを打診していた。
 その代わり共産は、両党が女性候補同士で競合していた7区は元職の候補を比例に専念させ、れいわ新選組の元職が柏市長選出馬を表明した8区も新人候補を取り下げて立民に一本化する選択肢も示した。これに対し、当時、立民県連代表だった生方さんは「われわれに譲る選挙区がない。元々5区は立民という話だった。一度挙げた手を下ろすのはお互いに難しいのでは」と難色を示していた。
 事態が動いたのは、解散三日前の十一日。生方さんが九月下旬の松戸市内の集会で「拉致被害者で生きている人はいない」と発言したことが発覚し、立民は生方さんの公認を事実上取り消した。6区は野党統一候補不在となったため、共産は、一本化に行き詰まっていた5区の浅野さんを6区に移して新しい統一候補とすることを提案。混乱する立民も受けた。共産は提案通り7、8両区を立民に譲り、四選挙区で一本化が一気に実現した。さらに、この動きに呼応するように十六日、れいわ新選組は9区の新人候補を取り下げ、自民と立民の前職による一騎打ちの構図をつくった。
 小倉委員長は「直前の選挙区変更は異例だが、結果として生方さんの問題が出て共闘の形が進んだ」。県内政界関係者は「浅野さんを一転注目の6区に立てれば、比例票の掘り起こしにつながり共産にとって利点が望める決断」と評した。一方、自民のある前職は「政権政党を決める選挙なのに、勝ち抜くことしか考えていない。政策の共通項がなく本末転倒だ」と批判した。

関連キーワード


おすすめ情報

千葉の新着

記事一覧