<対決の構図 衆院選いばらき>(中)

2021年10月17日 07時55分

◆5区 野党共闘実現せず

 自民党の石川昭政(49)と国民民主党の浅野哲(さとし)(39)の前職二人が、大票田の日立市や、日本原子力発電東海第二原発が立地する東海村などで競り合う。県内の選挙区で唯一、野党共闘が成立せず、共産党新人の飯田美弥子(61)も参戦した。
 石川は党職員を経て、二〇一二年に初当選。北茨城市などに多い保守票をベースに、サラリーマン層の厚い都市部の日立市で浮動票獲得を狙う。十九日の公示後は、党総裁選で石川が推薦人に名を連ねた政調会長の高市早苗が応援に入る予定だ。
 浅野は前回一七年、経済産業相や民主党幹事長などを歴任した大畠章宏の後継として希望の党公認で立候補。党の失速で苦戦したが、日立製作所を中核とする日立グループ労働組合の組織票を背景に、石川を約五千票差まで追い詰め、比例復活した。日立労組出身の内山裕(ゆたか)会長率いる連合茨城が全力で支えるものの、選挙区内の組合員の減少という課題を抱える。
 党勢が低迷する国民にとっては、議席の上積みを狙える数少ない選挙区だが、比例北関東の議席確保は厳しい情勢で、選挙区当選が至上命令。党代表の玉木雄一郎ら幹部を次々と応援に投入する構えだ。立憲民主党も浅野を支援する。
 右派色の強い石川は県内の自民候補で唯一、公明党に推薦依頼を出していない。とはいえ、浅野周辺は「大畠が築いていた公明との人間関係が浅野には乏しい。公明票の多くは石川に流れるのでは」とみる。
 「反共」感情の強い国民は、共産との候補一本化を拒否。共産も「原発再稼働反対を明確にする」と飯田の擁立を取り下げなかった。政権批判票の分散は避けられない。
 無所属新人の田村弘(49)も立候補する。公示後は自ら選挙カーを運転し、選挙区をくまなく回る予定だ。

◆6区 自民若手に危機感

 ともに前回二〇一七年に初当選した自民党前職の国光文乃(あやの)(42)と立憲民主党前職の青山大人(やまと)(42)が再び相まみえる。共産党は前県委員長田谷武夫を擁立していたが、衆院解散直前に取り下げ、青山の支援に回ると発表した。
 前回は、国光が約六千票の僅差で青山に勝った。国光の陣営関係者は「一回目はラッキー。二回目が本番」と気を引き締める。青山は「選挙区で勝ち上がり、野党の比例復活の枠を増やす」と雪辱を期す。
 国光は厚相や党総務会長を歴任した丹羽雄哉の地盤を継承したものの、県外出身ゆえに「落下傘」のイメージが付きまとう。これを払拭(ふっしょく)できるかが課題だ。つくば市のほか、土浦、石岡両市にも事務所を構えて地元固めに力を入れる。
 休日夜間診療などを担当する現役医師であることを生かし、新型コロナウイルス対策についてメディアで発信したり、オンラインで有権者と意見交換したりして知名度アップを図る。
 岸田派に所属し、昨年の党総裁選では岸田文雄の推薦人に。岸田が二度目の挑戦で首相の座を射止めたことは追い風だと期待する。公示後は岸田が応援に入る方向で調整している。
 県議出身の青山は前回、希望の党から立候補。比例復活で初当選を果たした。旧国民民主党を経て、「政権交代可能な二大政党制を目指す」と新立民の結党に参加した。
 まめに朝の駅立ちを繰り返し、選挙区を満遍なく歩いてきた。自民の丹羽の秘書だった経歴もあり、「党派に関係なく支持してくれる人を回っている」。
 共産は前回も野党共闘を探ったが、青山が希望公認となったために実現しなかった。前回、約二万四千票を獲得している「共産票」は強力な援護射撃となりそうだ。(敬称略)

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