「再び軍政を」スーダンで暫定政府の撤退求める大規模デモ、民主化損なう恐れも

2021年10月17日 20時20分

16日、スーダンの首都ハルツームで、暫定政権の退陣を要求するデモ参加者たち=AP

 【カイロ=蜘手美鶴】ロイター通信などによると、暫定政府が民政移管を進めているスーダンの首都ハルツームで16日、軍による再統治を求める大規模デモが起きた。同国では民主化デモを機に2019年、軍主導の長期独裁政権が崩壊したが、今回のデモは同国の民主化を損なう恐れもあり、緊張が高まっている。
 AFP通信によると、数千人が大統領官邸前に集まり、プラカードなどを掲げて「政府は解散しろ」「再び軍政を」などと暫定政府の退陣を要求した。9月下旬に旧政権支持者による軍事クーデター未遂が起きて以降、各地でクーデターを支持する反政府デモも起きているという。
 スーダンでは約30年続いた独裁政権が倒れ、その後に軍民統治の暫定政府が誕生。3年3カ月かけて民政移管を進める中、民主化を主導した文民勢力が内部分裂し、一部が暫定政府と対立。文民政治家と軍が互いに批判し合うなど、混乱が表面化していた。
 また、回復しない経済への市民の怒りは強く、反政府デモを後押ししている。暫定政府は一部補助金の削減など経済改革を断行したが、物価高騰や高い失業率は変わらず、市民生活を圧迫している。
 ハムドク首相は15日のテレビ演説で「(民政移管が)最悪の危機に直面している。民間と軍の対立が原因だ」と述べ、事態の沈静化を呼びかけた。

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