教員のわいせつ行為 PTSDに苦しみ 都内の女子中学生「学校怖く、人生変えられた」

2021年10月18日 06時00分
文部科学省

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 教員による教え子へのわいせつやセクハラ行為が後を絶たない。東京都内の中学校の女子生徒は小学校時代、担任から教室で髪を触られたりなどの被害にあったと訴える。本紙の取材に「人生を変えられてしまった」と苦しみを語った。(山田雄之)
 女子生徒や保護者によると、被害に遭ったのは小学5年の時。担任の男性教員からテスト中に手で髪を触れられたり、同級生の前で「かわいいね」と言われ、おでこや頬を何度もつつかれたりした。
 気持ち悪さを覚えたが、先生だから拒めなかった。被害を打ち明けられた母親が学校側に抗議したが改善せず、警察にも相談したが立件は見送られた。
 担任の女子生徒への態度から、同級生たちから「優遇されている」と見られた。関係が悪化し、女子生徒は3学期に転校。転校先でもうわさが広まり、不登校になった。中学進学を機に再び通学を試みたが、2カ月でフラッシュバックを起こし断念した。心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断され、現在も不登校が続き、通院している。
 女子生徒は「担任は悪ふざけだったのかもしれないが、学校が怖い場所になってしまった。謝ってほしい」と話す。保護者と生徒は、わいせつ行為で精神的苦痛を受けたとして、担任や当時の校長らを相手に民事訴訟を起こしている。
 教員による問題はまず学校や教育委員会が調査に当たることが多いが、全国学校ハラスメント被害者連絡会の郡司真子共同代表は「学校による調査は身内に甘くなりがちになるし、子ども側は証拠を集めにくい。被害相談を受ける第3者機関を設置するべきだ」と指摘する。

◆19年度は教員126人が処分

 文部科学省は2019年度、児童生徒へのわいせつ、セクハラ行為で処分された教員数を初めて調査。処分は126人に上り、うち自校の児童生徒や卒業生への行為は83人だった。ただ、これ以外に子どもが被害に気付かなかったり、周囲に心配を掛けないよう相談しなかったりするケースも少なからずあるとされ、実際に処分、逮捕されるのは氷山の一角とみられる。
 都内では今月上旬、板橋区立小学校教諭の高橋慶行容疑者(29)が強制わいせつ容疑で警視庁に逮捕、送検された。同庁によると、昨年10~12月ごろ、同校の鍵を掛けた教室で教え子の女児の胸を触った疑いがあるが、女児が友人に相談したのは半年後の今年5月。友人が学校に連絡し発覚した。
 捜査関係者は「恥ずかしさもあり、被害を打ち明けるのに時間がかかったようだ。女児は教員を信じたい思いも持っており、わいせつ行為か指導かを慎重に聞き取った」と明かす。

◆相談しやすい環境を

 <子どもの性被害対策に詳しい奈良大の今井由樹子准教授の話> 教員によるわいせつ行為が子どもの人格や社会性の形成に与える影響は大きい。教員の意識を改革することは当然だが、子どもについても、何が性被害に当たるのかについて早期に知識を植え付け、被害に遭った際に周囲へ相談することに抵抗を覚えないで済むような環境づくりをしてほしい。

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