自民「まず成長」 野党「まず分配」 党首討論で与野党対立鮮明に 衆院選公示へ

2021年10月18日 21時32分
日本記者クラブ主催の公開討論会を前にポーズをとる与野党の9党首。左から社民党の福島党首、国民民主党の玉木代表、共産党の志位委員長、立憲民主党の枝野代表、自民党総裁の岸田首相、公明党の山口代表、日本維新の会の松井代表、れいわ新選組の山本代表、NHK党の立花代表=東京・内幸町の日本記者クラブで

日本記者クラブ主催の公開討論会を前にポーズをとる与野党の9党首。左から社民党の福島党首、国民民主党の玉木代表、共産党の志位委員長、立憲民主党の枝野代表、自民党総裁の岸田首相、公明党の山口代表、日本維新の会の松井代表、れいわ新選組の山本代表、NHK党の立花代表=東京・内幸町の日本記者クラブで

 第49回衆院選は19日公示され、31日の投開票まで12日間の選挙戦に入る。与野党9党首は18日、日本記者クラブ主催の討論会に臨み、経済政策や格差是正などを巡る論戦を交わした。自民党が所得再配分の原資を生み出すため経済成長優先を主張したのに対し、野党は国債発行や富裕層増税を通じた分配を重視するよう訴え、対立軸が鮮明になった。
 岸田文雄首相(自民党総裁)は、分配財源確保のための金融所得課税見直しや法人税率引き上げなど、富裕層増税を否定し「成長の部分を強調した上で経済政策を進めている」と強調。安倍晋三元首相の経済政策「アベノミクス」と同様、当面は経済成長によって財源確保する考えを示した。一方で、従来の経済政策により「富が一部に集中した」として、政府主導の分配強化が必要だとも述べた。
 立憲民主党の枝野幸男代表は、法人税率引き上げを否定した首相を「これができずに分配も何もあったものじゃない。超大企業に恩恵を施してきた政治は変わらない」と批判。年収1000万円程度までの個人の所得税実質免除や、時限的な消費税率5%への引き下げに取り組む考えを示した。
 れいわ新選組の山本太郎代表は首相に対し「経済成長するから待っておけと言われ続けた(過去)30年と同じことをやろうとするのか」と指摘。社民党の福島瑞穂党首は「分配が全く見えない」と訴えた。
 その他の与野党も、分配を重視する考えを強調。公明党の山口那津男代表は、ゼロ~18歳に一律10万円を給付するとし「所得制限を設けるとスピード感が劣る」と、困窮世帯以外への給付にも理解を求めた。
 共産党の志位和夫委員長は「緊急の支出を国債でやるのは当たり前だ」と語り、恒久的な消費税率5%への引き下げを主張。日本維新の会の松井一郎代表は「財源は厳しい環境の人に分配すべきだ」とし、住民の経済状況に詳しい自治体の首長への権限移譲を求めた。国民民主党の玉木雄一郎代表は、今後10年間で150兆円の投資を行うなどして「積極財政で賃金デフレから脱却する」と訴えた。
 「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」の立花孝志党首は、分配政策に言及しなかった。17日のインターネット番組では全国民に10万円の電子マネーを配る考えを示した。
 衆院選には小選挙区と比例代表を合わせて約1000人が立候補する見通し。衆院解散から投開票まで17日間という戦後最短の日程で、計465議席(小選挙区289、比例代表176)を争う。自民、公明両党は与党で過半数維持を目指し、立民など主な野党は210を超える小選挙区で候補者を一本化した。

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