川崎市長選 候補者の横顔

2021年10月19日 07時21分
 三十一日投開票の川崎市長選はいずれも無所属で、新人の政治団体代表委員、市古博一さん(73)=共産推薦=、新人の会社役員川村るみ子さん(42)、三選を目指す現職の福田紀彦さん(49)が立候補した。三人の横顔を紹介する。(安藤恭子)
(届け出順)

◆市古博一(いちこ・ひろかず)さん 73 無新 共
 教育環境の改善 取り組む

 東大時代、川崎市内の子ども会活動に関わり、教員を志した。「働き、家庭をつくるなら川崎で」と思い定め、市内の小中学校で四十一年間教員を務めた。
 当時の川崎は子どもの遊び場が少なく、公害も社会問題化していた。「学校や子どもたちと向き合うだけでは、教育環境は改善しない」と中学校給食の実現や、教職員の労働改善を求める運動に取り組んできた。
 前回市長選に落ちた後の四年間は市議会をウオッチ。市独自の少人数学級実現や、コロナから学校を守る提案を市にしてきた。「ほとんどかなわず、市民の声を聞かない市政に落胆した。ならば自分がチェンジさせたい」と雪辱を期す。
 多摩川を走る毎朝五キロのジョギングが日課だ。今の一番の趣味は油絵。長野・安曇野への写生旅行や尾瀬のハイキングも楽しむ。座右の銘は「持続する志」。「多摩川も開発ではなく、緑を広げたい。学生時代の志から、自分の生き方は一貫しているかな」。元共産党市議の妻と暮らす。

◆川村るみ子(かわむら・るみこ)さん 42 無新
 経営の視点で 市民に還元

 英語中心の民間学童保育会社の取締役として、約四百人の児童が通う川崎や横浜のスクール運営に携わる。川崎に約四十年暮らすが「子どもに冷たいし、老人にも優しくない。コロナのことで市長のSNSにメッセージを送ったが『既読スルー』だった。財政難を解決し、市民に還元する町にしたい」と話す。
 短大卒業後、長女の出産を経て外資系企業に勤務。ドイツ人幹部の下でアシスタントとして働いた。退職金を使って二〇一三年に独立。「英語は勉強としてとらえると、苦手になっちゃう。学校から離れた環境でリスニングに慣れてほしい」と事業への思いを語る。
 立候補表明は告示四日前となったが「当選の自信は100(%)です」と力強い。「安心して女性が出産育児をし、社会復帰できる仕組みをつくりたい。コロナに対応できているドイツやニュージーランドも女性のリーダー。川崎のイメージも払拭(ふっしょく)したい」。家族構成は会社員の夫と高校生の長女、二歳の次女。

◆福田紀彦(ふくだ・のりひこ)さん 49 無現<2>
 市民と対話 政策のヒント

 市長二期目の後半は新型コロナウイルス対策に追われ、学校現場などへの視察機会がぐっと減った。「市民感覚をつかめないほど、行政が怖いことはない。たわいのない会話がうれしい」。「川崎じもと応援券」の発想は、理容室での対話がヒントになった。小さな地域でつながるコミュニティー政策の大切さを実感している。
 高校時代、父親の転勤で米国に暮らした。町に信号機をつけようと、議会も巻き込み実現させた友人を見て、生活に直結する政治に関心を持った。好きな政治家を問われ、県議時代の同期、本村賢太郎・相模原市長を挙げた。「先入観をもって人と接さず、分からないことを素直に分からないと言えるから。僕は少し格好つけちゃうんで」と笑う。
 コロナ禍に訪れた演奏会で涙があふれ「不要不急な芸術なんてない」と心に触れた。冷蔵庫にある物で料理をするのも、息抜きの一つだ。座右の銘は「限りなき理想への挑戦」。妻と一女二男の五人家族。

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