東松山の児童 サワトラノオ守れ!! 希少植物 受粉の謎に迫る

2019年8月28日 02時00分

ピンセットを使ってサワトラノオの苗の植え付けに挑戦する親子=東松山市で

 国内で数カ所、県内では一カ所でしか自生が確認されていないサクラソウ科の希少植物サワトラノオの増殖に取り組む東松山市立市の川小学校で、苗の植え付け体験イベントがあり、六年生七人の研究班「サワトラ隊」が受粉の謎に迫った研究成果を中間報告した。採集した花粉の数を顕微鏡で数え、飛来した虫の数をビデオカメラで調べるなど、粘り強い研究姿勢が大人たちを驚かせた。 (中里宏)
 サワトラノオは湿地を好む多年草で、県内では上尾市内に百株ほどしか確認されず、絶滅が危惧されている。二〇一七年秋、同小理科主任の岡島孝徳教諭(55)が県教育委員会から教育用に六本の苗を分けてもらったことを機に、当時の五年生が増殖に挑戦し、今春の卒業時にはプランター百個分以上に増やした。
 本年度は六年生百六人が一日二回の水やりや、植え替え、施肥、種取り、種まきといった保護増殖プロジェクトに取り組んでいる。研究班の「サワトラ隊」は有志参加で、昨年度(卒業生)は先行研究がほとんどないというサワトラノオの発芽率を研究。発芽の適温が約二〇度であることや、光が当たるところでよく発芽することを突き止めた。
 今年の研究班はサワトラノオの受粉の謎に迫った。サクラソウと同様に、めしべが長い花と短い花があるが、比率を調べると九対一で、一対一のサクラソウとまったく違うことが分かったという。
 受粉が風によるのか虫によるのかも調査。開花した五月下旬の七日間、花の前にビデオカメラを置いて各一時間撮影。後から数えると、最初の二日間で確認された虫はヒラタアブやハナバチなど八匹だけだった。
 一方、ワセリンを塗ったスライドガラスを花の近くに三時間置いて顕微鏡で調べたところ、平均約四百四十個の花粉が付着していた。さらに、虫が入れないようにネットをかけた株にも実がついたことから「サワトラノオは虫に頼らず、主に風によって受粉している」と結論付けた。
 イベントでは、市の川小のほか、同小から分けられたサワトラノオを育てている東松山市立新宿小と嵐山町立菅谷小の児童・保護者ら二十五人が、種から育てた数ミリの苗をピンセットでポットに植え付ける作業に挑戦した。
 サワトラ隊の児童たちは「長いめしべと短いめしべの花では、花粉の大きさが違う。なぜ違うのか調べたい」「絶滅危惧の植物には野生では簡単に近づけない。この機会を大事にしたい」などと話していた。

花を開かせた希少種のサワトラノオ(東松山市立市の川小学校提供)

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