1票に隠された「値段」とは 年間総額317億円「政党助成金」の配分も衆院選で決まる

2021年10月21日 17時58分
 31日の投開票が迫る衆院選。有権者の1票1票が465人の衆院議員を決める重みを持つ。しかし、1票の効果はそれだけではない。衆院選を始めとした国政選挙には、政党に対して国から支払われる「政党助成金」の金額を決めるという役割もあるからだ。その仕組みをひもとくと、1票に込められた「値段」が見えてくる。

◆年間総額317億円、国民の負担は1人250円

 政党助成金の制度は1995年に導入された。年間総額は全国民1人当たり250円で計算され、2021年は約317億円。財源はもちろん国民から集めた税金だ。使い道に制限はなく自由だが、支給を受ける政党には総務相に対する使途報告が義務付けられており、毎年公表されている。
 助成金を受け取るには、政党助成法上の政党要件を満たす必要がある。 

政党助成法上の政党要件 政党助成金を受け取る政党となるための条件。(1)所属国会議員が5人以上(2)所属国会議員が1人以上で、直前の衆院選の小選挙区か比例代表、過去2回の参院選の選挙区か比例代表のいずれかで、全国を通算した得票率が2%以上の、2つのうちのどちらかをクリアする必要がある。

 2021年1月1日の基準日に政党要件を満たして届け出を行い、助成金の交付決定を受けたのは、自由民主党、立憲民主党、公明党、日本維新の会、国民民主党、NHK受信料を支払わない方法を教える党(現・NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で)、社会民主党、れいわ新選組の8つの政党。同年の交付額のトップは自民の170億2163万6000円で、立民が68億8938万9000円で続いた。

図表1

 日本共産党は、政党要件を満たしているが、「国民との結びつきを通じて自主的に活動資金をつくるべきだ」などとして政党助成金の制度自体に反対の立場をとっており、届け出をせず助成金も受け取っていない。このため、共産が受け取れるはずの助成金は、他の政党に配分されているのが実態だ。

◆1票で毎年「87円」

 年間総額300億円超の助成金は、その半分が国会議員数に応じた「議員数割」、残る半分は直前の衆院選と過去2回の参院選での得票数に基づく「得票数割」でそれぞれ配分され、各党の受け取り額が決まる。

図表2

 例えば、21年の自民の助成金を例に取ると、図表2のようになる。ここから前回17年衆院選での1票が何円の政党助成金につながったか逆算すると、小選挙区での1票は約87円、比例代表での1票は約79円になる。こうした額が毎年、助成金に反映され、政党の活動を支えてきた。
 選挙は、棄権する人がいればいるほど、棄権せず投票した人の1票の価値が増していく。決まった総額を得票割合によって配分する政党助成金の制度でも、同じことが言える。(デジタル編集部)

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