北朝鮮「新型SLBM発射実験に成功」と報道 変則軌道に専門家「小型化で機動性増した」

2021年10月20日 19時58分
19日、北朝鮮の国防科学院が行った新型の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験=朝鮮中央通信・共同

19日、北朝鮮の国防科学院が行った新型の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験=朝鮮中央通信・共同

 【ソウル=中村彰宏】朝鮮中央通信は20日、新型の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験に成功したと伝えた。北朝鮮がSLBMを発射するのは2019年10月以来。従来より小型化されて機動性が増し、専門家からは迎撃がさらに困難になるとの指摘が出ている。
 弾道ミサイルの発射を受け、国連安全保障理事会は20日、北朝鮮情勢を協議する非公開の緊急会合を開く。ただ常任理事国の中国とロシアはこれまで北朝鮮擁護の姿勢を見せており、声明発表など一致した対応が取れるかは見通せない。
 朝鮮中央通信によると、発射実験は国防科学院が19日に実施。16年8月に初めてSLBMの発射に成功したとする潜水艦「8・24英雄艦」から発射した。新型SLBMについて「滑空跳躍機動など多くの進化した操縦誘導技術が導入された」とし、「国の国防技術の高度化と海軍の水中作戦能力の向上に大いに貢献する」と強調した。金正恩キムジョンウン朝鮮労働党総書記は立ち会わなかったとみられる。
 労働新聞が掲載した発射の写真から、今月の国防発展展覧会で展示した小型SLBMの可能性が高く、開発済みのSLBM「北極星」よりも一回り小さい。北極星は完成間近とされる3000㌧級の潜水艦に搭載される見込みだが、小型化された新型SLBMは既存の潜水艦が活用できるという。
 金東葉キムドンヨプ北韓大学院大教授は、ロシアの短距離ミサイルをベースにした北朝鮮版イスカンデル「KN23」を潜水艦用に改良したと分析。19日の発射も、KN23の特徴である最後に急上昇する「プルアップ」の変則軌道を描いたとされる。金教授は「小型化でさらに機動性が増し、潜水艦1隻に複数を搭載することも可能になる」と指摘した。
 韓国は先月15日、SLBMの発射実験を行い、「世界で7番目に成功した」と発表。7カ国に北朝鮮は含めていなかった。北朝鮮は今回、潜水艦からの発射能力を誇示することで韓国に対抗する狙いもありそうだ。

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