過半数の小選挙区で野党候補1本化、政権交代に現実味 選挙協力には壁も

2021年10月21日 06時00分
 今回の衆院選は289ある小選挙区で、立憲民主を中心とした野党候補の1本化が進み、与党側候補と事実上の一騎打ちとなる構図が過半数を占めた。三つどもえの構図が7割だった前回衆院選から様変わりし、「政権交代」がより現実味を持つ選挙となった。
 立民の枝野幸男代表は、松江市での19日の公示後第一声で「ほぼ10年ぶりに国民に政権を選んでもらえる選挙がスタートした」と、小選挙区で野党側が政権交代に十分な候補を立てたことを前面に訴えた。
 今回は立民、共産、国民民主、れいわ新選組、社民の野党5党で候補を一本化した小選挙区が213。与党公認候補と2極で競う小選挙区が146に上る。与野党が議席を争う対立構図が明確になった。
 前回は野党側の分裂で、与党側候補と3極で争う小選挙区が208と約7割を占めた。これにより野党側の票が割れて共倒れを引き起こした。本紙分析では、3極となった小選挙区の8割超で与党側が勝利。安倍政権が長期化するきっかけを与えることにもなった。
 野党は前回の反省から、公示ぎりぎりまで競合する小選挙区の調整を継続。立民と共産は70以上あった競合区を48まで絞り、立民と国民との競合区も2にまで抑えた。枝野氏は「政権の選択肢としての構えと準備を整えられた」と強調する。
 ただ、今回も日本維新の会などの候補と3極対決となる小選挙区も71と4分の1近くあり、共倒れの懸念は残っている。
 共闘する野党の中でも、安全保障関連法廃止などで政策協定を結んだ立民、共産、れいわ、社民4党と、その枠組みに入らなかった国民とでは、政策的に溝がある。また立民を支援する連合には、政権交代後の「限定的な閣外協力」を主張する共産への拒否感が根強い。候補者一本化が進んだとはいえ、各小選挙区での選挙協力で全て一枚岩になれるとは限らない。(我那覇圭)

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