避難計画策定 社会福祉施設も6割弱 東海第二 知事「説明会など実施」

2021年10月21日 07時38分
 日本原子力発電東海第二原発(東海村)の三十キロ圏内にある有床医療機関のうち、原発事故時に入院患者などを避難させるための計画を策定済みの施設が三割にとどまっている問題で、同様に避難計画策定を求められる入所型の社会福祉施設でも策定率は六割弱であることが分かった。二十日の茨城県議会予算特別委員会で、江尻加那氏(共産党)の質問に大井川和彦知事が明らかにした。
 東海第二で事故があれば屋内退避や避難をすることになる三十キロ圏内では、県の広域避難計画に基づき、病院や有床診療所と同じく入所型の高齢者・障害者・児童福祉施設も、入所者らの避難経路や避難先、必要な移動手段などを定めた避難計画をあらかじめ作っておかなければならない。
 知事は、対象となる四百八十六の社会福祉施設のうち、九月一日時点で42・4%に当たる二百六施設が計画を作り終えていないと説明。有床医療機関でも、対象百十九施設のうち計画策定済みは三十九施設しかないことを踏まえ、「未策定の医療機関などに対する説明会や個別協議の実施などにより、計画の策定を推進していく」と述べた。
 知事はこれまで、東海第二の再稼働の是非を判断する前提の一つとして「実効性ある広域避難計画」の整備を挙げてきた。この点に関して、知事は「実効性ある避難計画を策定する上では、(入院患者などの)要配慮者の避難態勢の構築が不可欠。万が一の事故に備えて、全ての医療機関、社会福祉施設で避難計画が策定されることが必要と考えている」と明言した。
 県立中央病院(笠間市、五百床)は避難計画を策定済みだが、計画が延べ百四十一台の救急車を必要としているのに対し保有台数は一台のみ。この日の質疑では、東海村立東海病院(八十床)の避難計画でも、必要な救急車の台数(延べ十台)に対し保有台数はゼロであることが判明した。
 救急車の確保について、知事は「救急車が最善だが、患者の状況や配車の状況に応じて、福祉車両による搬送など臨機応変に対応することも必要だ」との認識を示した。(宮尾幹成)

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