環境活動家グレタさんの歩みと葛藤…素顔に迫るドキュメンタリー 22日から上映 ネイサン監督に聞く

2021年10月21日 12時00分

「グレタ ひとりぼっちの挑戦」に盛り込まれた欧州議会で演説するグレタさん©2020 B-Reel Films AB, All rights reserved.

 笑い、悩み、踊り、時に弱音を漏らすー。地球温暖化対策の徹底を訴え、若者たちの抗議活動の火付け役となったスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(18)を追ったドキュメンタリー映画「グレタひとりぼっちの挑戦」の上映が22日、全国で始まる。101分の映像からグレタさんの歩みと葛藤が浮かび上がる。製作したスウェーデンのネイサン・グロスマン監督にオンラインで話を聞いた。(福岡範行)

オンラインインタビューに応じるネイサン・グロスマン監督

 映画の序盤には2018年8月、グレタさんが学校を休み、初めてスウェーデンの国会議事堂近くの道端で、1人きりのデモ活動をする場面が登場する。
 「気候のための学校ストライキ」と手書きしたプラカードや水筒を置き、体育座り。デモを続ける中で、子どもから手を振られ、「ストライキには賛成できない。でもあなたは違う意見よね」と話し掛ける年配の女性ともやりとりする。
 ネイサン監督は知人を通じてグレタさんのデモの計画を知った。「1〜2日間、見てみよう」と撮影を開始したところ、グレタさんが通行人の質問に、科学的な根拠に基づき簡潔に答える姿に心を奪われていったという。

「グレタ ひとりぼっちの挑戦」に登場する街頭デモ©2020 B-Reel Films AB, All rights reserved.

 それから1年あまり。カメラは19年9月の「国連気候行動サミット」でグレタさんが演説した頃までを記録した。「How dare you(どの口が言うの)」と、気候変動対策に動きが鈍い世界の指導者たちへの怒りに満ちた表情は、日本でも注目された。

「グレタ ひとりぼっちの挑戦」の一場面©2020 B-Reel Films AB, All rights reserved.

 「私から見た彼女は、知的で意志が固く、すごくfunny(ファニー=面白い)」。監督は「私たちは有名人の一面だけを見て、その人を決め付けることがあるが、彼女らはいろんな面を持った人間だ」と指摘する。
 「いい日も悪い日もある」と、グレタさんを偶像化せず、素顔の全体像にこだわった。家族とのテレビ電話で大笑い。自らの原稿中の「gas station(ガソリンスタンド)」のつづりにハイフンが必要かや文法が気になっていら立ち、ベッドに突っ伏す。「新しい物も買いません」と語る通り、膝に穴の開いたズボンをはいた姿も何度か映っていた。

「グレタ ひとりぼっちの挑戦」の一場面。大西洋をヨットで横断したグレタさんが大勢の人に出迎えられた©2020 B-Reel Films AB, All rights reserved.

 映画では温暖化の細かな解説はせず、グレタさんの心理描写に徹した。ネイサン監督は「人の感情を通して、問題を捉えてほしかった」と説明する。着目した感情の一つが、グレタさんら若者のフラストレーションだ。「気候変動は長く国際政治で話されてきたのに、若い人は進歩がないと感じている。政治指導者が何もしていない現状を知る上で、鍵となる言葉だと思う」
 上映館は新宿ピカデリーなど、詳細は「映画『グレタひとりぼっちの挑戦』公式サイト」へ。

おすすめ情報