選択的夫婦別姓、性的少数者の差別解消…政党で違い鮮明に<公約点検>

2021年10月22日 06時00分
 夫婦が同姓か別姓かを選べる「選択的夫婦別姓」制度や、LGBTなど性的少数者への差別解消の法整備を巡っては、消極的な自民党と、導入や制定を掲げる他党とで違いが鮮明となった。日本記者クラブ主催の党首討論会で、選択的夫婦別姓とLGBT理解増進の法案を来年の通常国会に提出するかと聞かれた際、岸田文雄首相だけが手を上げなかった。
 自民の公約は、策定責任者の高市早苗政調会長の主張が色濃くにじむ。高市氏は夫婦別姓に反対し、旧姓の通称使用の拡大で不利益解消を訴えてきた。さかのぼれば1996年、法制審議会が選択的夫婦別姓導入を含む民法改正案を答申した際、自民議員らが「家族の一体感が損なわれる」などと反発し、国会提出に至らなかった経緯もある。
 公明党は公約に制度推進を明記。党首討論会で自民を説得できない理由を尋ねられた山口那津男代表は「(自民にも)最近は理解を示す、賛成する人も増えてきた。ぜひ合意を作っていただきたい」と求めた。
 野党でも、政策に温度差はある。立憲民主党は政策集に「ジェンダー平等」の章を設け、選択的夫婦別姓を含む男女格差是正の施策を詳しく明記。一方、日本維新の会は夫婦別姓に関し「同一戸籍・同一氏の原則を維持」と、立民などと別制度を描いているようだ。
 LGBTに関する法整備では、与党が理解増進を目的とするのに対し、野党は一歩踏み込み、差別解消を目指す。自民が「多様性」政策に消極的なのは、「伝統的家族観」を重んじる保守層の影響力が大きいとされる。今年5月に超党派の議員連盟で合意したLGBT理解増進法案に、高市氏は反対していた。
 世界的な「#MeToo」運動やジェンダー平等の要請を受け、他者の権利を制限する姿勢には若者を中心に疑問の声も上がる。公明、立民、共産党、維新、れいわ新選組、社民党が同性婚の法整備も公約に掲げる中、首相は今月11日の代表質問で同性婚について「わが国の家族の在り方の根幹に関わる問題であり、極めて慎重な検討を要する」と安倍晋三元首相らと同様の見解を維持した。
 外国人に関する施策では、自民が「技能実習制度」の活用促進を主張する一方、立民は見直し、共産、れいわは廃止を公約に盛り込んだ。立民は、在留外国人の増加による社会経済情勢の変化への対応として「多文化共生社会」の形成を目指す基本法の整備などを訴える。(奥野斐)
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 投票の際の参考となるように、各党の衆院選公約を重要政策ごとに点検します。
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