「学徒出陣」78年、国立競技場内の記念碑で追悼式「こうした過去忘れないために」

2021年10月21日 21時26分
「出陣学徒壮行の地」の碑に供花し、一礼する参加者=21日、東京都新宿区の国立競技場で

「出陣学徒壮行の地」の碑に供花し、一礼する参加者=21日、東京都新宿区の国立競技場で

 大学生を兵士として動員した「学徒出陣」の犠牲者を追悼する式典が21日、国立競技場(東京都新宿区)敷地内の碑「出陣学徒壮行の地」の前で開かれた。昨年は東京五輪開催準備のため中止され、2年ぶりの開催。元学徒兵や遺族ら約20人が参加し、志半ばで落命した若者を黙とうと献花で悼んだ。
 元学徒兵で唯一の参加者となった鈴木孝さん(98)=足立区=は日本大在学中に徴兵された。78年前に壮行会に出席した日のことを「強い雨が降っていた。生きて帰るつもりはなかった」と振り返り、碑の前で静かに手を合わせた。
 慶応大生だった兄が徴兵され、魚雷を改造した特攻兵器「回天」で戦死したという塚本悠策さん(86)は「出撃前の1944年末に帰宅した時が最後の別れになった」と亡兄をしのび「こうした過去を忘れないためにも伝えていかなければ」と声をつまらせた。
 学徒出陣は太平洋戦争中の43年、兵力不足を補うために文科系大学生や旧制専門学校生の徴兵猶予を停止した措置。同年10月21日には、国立競技場の前身である明治神宮外苑競技場で国主催の壮行会が開かれた。碑は93年に元学徒兵有志らが建立。国立競技場建て替えに伴い、昨年まで近隣の秩父宮ラグビー場(港区)へ一時的に移設されていた。(小松田健一)

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