尾を引く菅原氏問題 衆院選とうきょう・注目区ルポ

2021年10月22日 07時32分
<東京9区 練馬区(中西部)>

政策を訴える候補者=練馬区で

 公示日前日の十八日早朝、練馬区の練馬高野台駅前。都内の最低気温が今秋、初めて一〇度以下となった寒空の下、自民の安藤高夫さんが半袖の白衣姿で駅に向かう人に声をかけていた。「いってらっしゃい」。医師として「コロナ対策を訴えたい」とも口にする。
 「向こうからも人が来てます」と地元都議がアドバイスする。前回衆院選で東京比例で選出された安藤さんは選挙運動が実質的に初めて。陣営スタッフも「分からないことが多く、地元の支援は助かる」と話す。
 一九九一年の練馬区議初当選を皮切りに都議、衆院議員へと上り詰めた菅原一秀元経済産業相の地盤から出馬が決まったのは今年九月。元経産相は地元有権者に現金などを配った疑惑で六月に議員を辞職した後、公職選挙法違反(寄付行為)の罪で公民権停止などの略式命令を受け、三年間、立候補できなくなった。
 十九日、前川燿男区長は安藤さんの事務所開きでマイクを握り「不祥事以来、初の選挙。自民と公明に勝ってもらわないと区政にも大きな影響が出る」と強調した。自公の区議や都議らも支援するが、出席した区議が安藤さんの名前を間違える場面もあった。陣営関係者は「まずは顔と名前を覚えてもらうことが先決」と厳しい表情を浮かべる。
 この日、立憲民主の新人山岸一生さんは、野党統一候補として練馬駅前での出陣式に臨んだ。「相手の組織力、資金力にはとてもかなわない。しかし、彼らにないものが僕らにはある。今の政治を変えたいという情熱です」。新聞記者出身。二年前、立民が菅原元経産相の対抗馬として擁立を決めた。
 前回、9区では希望の党(当時)と共産がそれぞれ候補を立て、野党票が割れて菅原元経産相に敗れたが、今回は共産も支援する。支援者は「一本化できたのは大きい。必ず結果を出したい」と話す。
 山岸さんは、これまで「政治とカネの問題、反省があるのかないのかまったく見えない。そうした中で新しい候補者を出してきた」と訴えてきたが、元経産相の不出馬で「政治とカネ」という分かりやすい争点はかすみがちだ。ただ、支援者は「元経産相の問題はあってはならないことだが、強敵がいなくなったことにもなる。山岸さんの政治改革への思いがどこまで届くかが鍵」と期待を込めた。
 諸派元職の小林興起さん、日本維新の会新人の南純さんも出馬している。(砂上麻子)

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