熱海土石流 復興へ「住民がなんとかする」 伊豆山の高橋さん団体設立

2021年10月22日 08時32分

伊豆山復興のために「テンカラセン」を立ち上げた高橋一美さん(中)ら=熱海市で

 熱海市伊豆山(いずさん)で弁当店を営む高橋一美さん(45)が、仲間と任意団体「テンカラセン」を立ち上げた。七月の土石流災害で自身も被災しながら、発災直後から住民のためにボランティア活動に従事してきた。「結局は伊豆山の住民が何とかしないといけない」と被災地の復旧復興へ向けて、住民のために新たな歩みを始めている。
 土石流では土砂が流れ込み、自宅が被災。水道やガスが止まり、店で弁当を作ることもできなくなった。それでも「人のためにできることをやるしかない」と立ち上がった。これまでボランティア活動に縁はなかったが、仲間にも呼び掛け、住民の安否確認や困り事の聞き取り、支援物資の配達などを続けてきた。
 災害前、住民との接点は弁当を配達するだけだったが、今は自然と住民の困り事を尋ねるように。「弁当屋と客だった関係が、互いに信頼し合う仲になった」。自分でも驚くほど人を助けることに夢中になっていた。
 発災から三カ月の十月三日。仲間とともにテンカラセンを設立した。点と点が結び付いて線となるように、誰もが縁で結ばれることを願って名付けた。
 これまで続けてきた個人宅への困り事の聞き取りをはじめ、災害時などに備えた緊急連絡網の作成、SNSを使った地域密着型の情報発信などを柱に活動している。年齢も職業も異なる十五人がメンバーで「その場その場で考えて、行動してきたのが強み」という。
 「支援で外から来た人はいずれいなくなる。だからといって、行政に任せるのではなく、僕らにできることをしたい。僕たちだから気づけることがあるはず」と高橋さん。仲間と思いを一つに、他の地域のモデルケースとなるような活動を目指す。(山中正義)

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