<夏の甲子園>「3人で聖地へ」夢かなう 学生コーチ・和田駿也君

2019年8月12日 02時00分

ボールボーイを務め、試合後に整列する花咲徳栄の和田駿也君(中)

 味方のバットから快音が響いたり、ピンチを切り抜ける好投や好守でベンチが盛り上がるたびに、心の中で一緒にガッツポーズした。仲間のすぐ近くだが、声を出すことができないボールボーイの場所で。
 中堅手の橋本吏功選手、記録員の川内輝君とは北海道・洞爺湖シニア時代からのチームメート。自主性に重きを置く花咲徳栄にあこがれ、「みんなで甲子園でプレーを」と入学した。
 しかし、3人の立場は変わっていった。2年生の時から選手として甲子園の土を踏み、本塁打も放った橋本選手。川内君は、マネジャーとしてチームを支える道を選んだ。自身は「吏功に追いつきたい」と練習を重ねたが、昨年十一月に岩井隆監督から学生コーチへの転向を勧められた。
 「選手をあきらめるのは申し訳ない」と悩んだが、父・吉充(よしみつ)(42)さんの「コーチとして貢献したらいい。選手だけが全てではない」という一言で吹っ切れた。その後は、監督たちの言葉をポケットに忍ばせたメモ帳に書き込んで指導にいかしたり、早朝の選手の個別練習に付き合ったりとチームのために汗をかいた。
 この日はグラウンドに立つため、ボールボーイ役を志願した。「立場は違うけど、3人で聖地に来ることができて本当に良かった」
 大学生になっても母校のコーチは続けるつもりだ。「夢だった甲子園は広くて、仲間たちと最高の試合ができた」。後輩たちが帰ってこられるように出直す。 (森雅貴)

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