温暖化対策は不十分「未来、マジでヤバい」「10代の声が聞こえてますか」 霞が関で危機感訴え

2021年10月23日 06時00分
 「10代の私たちの声が、皆さんには聞こえていますか」。小雨がぱらつき冷え込んだ22日夕、東京・霞が関の中央省庁前で、若者たちが声を張り上げた。衆院選まっただ中のこの日、政府は地球温暖化対策を進める上で重要となるエネルギー基本計画を閣議決定。だが、若者たちはその計画では不十分だと訴える。手にしたボール紙に書かれた言葉が危機感を伝える。「未来、マジでヤバい」 (小野沢健太)

経産省前で気候変動対策を衆院選の争点とするよう訴える「Fridays For Future Tokyo」のメンバー=東京・霞が関で(沢田将人撮影)

 「『気候変動は票にならない』と言って選挙でも議論されず、若者たちの命がかかった将来のエネルギー政策が決まっていく。そんな日本でいいんですか」
 東京都調布市の高校3年山本大貴さん(18)は、エネルギー政策を進める経済産業省の前で庁舎内の職員たちに聞こえるように、拡声器を手に呼び掛けた。
 温室効果ガスを大量排出する石炭火力発電を使い続けるとした基本計画を「世界の常識を全く無視している」と批判した。「僕たちが大人になった時にはもう遅い。今変わらないと、熱波や猛烈な台風、食料難で取り返しのつかないことになる。リスクを公正に評価し、当たり前の行動を取ってください」
 庁舎前に集まったのは山本さんら、温暖化対策の強化を求める若者グループ「Fridays For Future(FFF)」のメンバーたち。14~20歳の男女13人で、選挙権のない中高生も交代で拡声器を手にした。
 「未来、マジでヤバい。」のボール紙を掲げていたのは、最年少参加者の埼玉県新座市、中学2年渡辺涼さん(14)。「私が感じている危機感は、この言葉以外に思い浮かばない。教科書にも気候変動が取り上げられているのに、政策は進まない。もっと本気になって再生可能エネルギーに転換してほしい」と訴えた。
 横浜市港南区の高校2年前平紗希さん(16)は、基本計画の原案に対する意見公募に自らの思いを提出。再生エネのさらなる推進や石炭火力発電からの脱却を求めたが、計画は修正されなかった。「温暖化の影響をこれから受ける若者の声が無視され、もやもやした思いがする」
 FFFは衆院選公示前の17日、各政党の政策担当者とオンラインで討論会を実施。自民党と公明党は石炭火力の早期全廃に後ろ向きだった。各党には質問状も送り、回答は順次、ツイッターやインスタグラムなど会員制交流サイト(SNS)で公開する。
 山本さんは衆院選が初の選挙だ。投票先の基準は何かと聞くと、はっきりと答えた。「気候変動問題を中心に、未来をどうしていくかのビジョンがあるかどうかを重視して決めたい」

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