脱炭素へ再生エネ倍増 第6次エネ基本計画を閣議決定 原発の新増設は盛り込まず

2021年10月22日 21時31分
 政府は22日の持ち回り閣議で、国のエネルギー政策の中長期的な指針「第6次エネルギー基本計画」を決定した。2050年に温室効果ガスの排出を実質ゼロ(カーボンニュートラル)にするため、太陽光や風力などの再生可能エネルギーによる電源を現状から倍増を目指し、主力電源化へ「最優先の原則で取り組む」とした。原発は脱炭素電源として重視して再稼働を進めるものの、新増設の方針は盛り込まなかった。(小川慎一)

◆再生エネ発電比率目標を10%以上引き上げ

 計画では、温室効果ガス排出量を30年度に13年度比で46%削減するとの国際公約に基づき、再生エネの30年度の発電比率目標を36~38%と、これまでより10ポイント以上引き上げた。
 東京電力福島第一原発事故から10年半が過ぎ、再稼働が10基にとどまる原発は従来目標の20~22%を維持。達成するには全36基(建設中3基含む)のうち30基程度の稼働が必要で、実現は困難な状況だ。
 再生エネ拡大を図り、原発は「可能な限り依存度を低減」とする一方で、「必要な規模を持続的に活用する」と新たに明記。小型炉など新型炉の研究開発を進める方針を掲げ、既存原発からの建て替え(リプレース)に含みを持たせた。
 再生エネと原発を合わせた脱炭素電源を全体の6割にできなければ、30年度の温室効果ガスの排出削減の約束は果たせない。
 政府はこの日、温室効果ガス排出削減の具体策を盛り込んだ「地球温暖化対策計画」も決定。英国で31日に始まる国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で計画を示す。温室効果ガスを大量排出する石炭火力は先進国で全廃が求められているが、日本は30年度比率を26%から19%に縮小したものの、ゼロへの道筋が描けていない。

◆パブコメ約6400件、前回の4倍近く、「原発事故は国の責任」を追記

 政府は9月3日~10月4日、エネルギー基本計画案について国民からの意見公募(パブリックコメント)を実施した。経済産業省資源エネルギー庁によると、約6400件の意見が集まり、「省エネを推進すべきだ」「石炭火力や原発をなくすべきだ」「再生エネの安定供給に配慮すべきだ」など、脱炭素や再生エネ活用を求める内容が多かったという。3年前の第5次計画の際の意見は約1700件で、今回は4倍近く増えた。
 閣議決定した計画はほぼ原案の通りだったが、意見を反映した結果、「東京電力福島第一原発事故の教訓を踏まえて、そのリスクを最小限にするため、万全の対策を尽くす。その上で、万が一事故が起きた場合には、国は関係法令に基づき、責任を持って対処する」という文章を加えた。前回の計画には同じ文章があったが、原案にはなかった。
 エネ庁の担当者は「意図的に書かなかったということではない」と釈明した。

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