重鎮引退 5人の新人 衆院選とうきょう・注目区ルポ

2021年10月23日 07時19分
<東京13区 足立区(東中部)>

候補者とともに「頑張ろうー」と気勢をあげる支援者=足立区で

 「土田慎という名前を知っているのはここに集まった方ぐらいだと思います」。十九日、自民の土田慎さんは足立区のJR綾瀬駅前で百人以上の支援者らを前に実直に語りかけた。
 九期二十八年衆院議員を務め、知名度のある自民の鴨下一郎元環境相が強さを誇ってきた選挙区。今回は鴨下さんの引退に伴い、候補者全員が新人で、年齢も若い三十代から五十代の戦いへと情勢が一変した。
 鴨下さんの後継に山東昭子参院議員の元秘書、土田さんが内定したのは九月末。鴨下さんの引退を知らない有権者も少なくない。神奈川県出身で足立区と関わりがなく、選挙初挑戦の土田さんの知名度向上は陣営の最大の課題だ。
 「知名度不足の解決策は時間。でもその時間がない」と土田さん。自民支持層の票固めを最優先に区議らと支援者へのあいさつ回りを徹底した。朝夕の街頭演説では若さや政治家を志した理由を訴え「鴨下一郎の後継」と強調してきた。
 わずか一カ月の活動期間。ある自民都連幹部は「鴨下さんのようになるには何年もかかる」。立民の北條智彦さんに触れ「北條さんとは前回も戦った。自民の組織力を総動員できるかが大きなポイント」と話す。
 一方、北條さんは「街頭演説九百三十九回」「つじ立ち七千四百三回」と、チラシでPRする。前回、敗れた後も駅頭に立ち、経済政策を中心に訴えてきた。演説を聞いた主婦は「毎朝、駅で見かける。他の候補者の名前と顔はぱっと出てこない」。準備した分、名前が浸透しているようだ。
 前回、ダブルスコアに近い約十二万票を許して敗れ、壁だった鴨下さんの引退で、立民支援者からは「チャンス」との声も上がるが「簡単ではない」と陣営幹部。「自民には組織力がある。コロナで投票率も下がるかもしれない。油断なんてもってのほかだ」
 共産の沢田真吾さんも足立区と縁はない。支持拡大には「後援会のネットワークを使った草の根の広がりしかない」と語る。名前と顔を売るより「政策論争では勝っている。こんな政策を言っていたな、と覚えてほしい」。街頭演説では政権批判を交え、コロナや経済、ライフワークでもある労働問題などの政策を訴えている。(西川正志)
衆院選2021
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