9条改憲の是非、与党内部や野党勢力の間でも温度差<公約点検>

2021年10月24日 06時00分
 憲法に関する公約では、自民党と日本維新の会が改憲への強い意欲を示す。これに対し、共産、れいわ新選組、社民の各党は自民が目指す9条改憲に反対。立憲民主、公明、国民民主の3党は憲法制定時に想定されていなかった理念や権力を縛るための議論は否定していないが、自民の改憲案には賛同していない。
 岸田文雄首相は日本記者クラブ主催の党首討論会で改憲への不退転の決意を問われ「もちろん」と即答。9条への自衛隊明記や緊急事態条項新設を含む自民党改憲4項目について「現実的で重要な取り組みだ。国民が求める改正を実現していくべく努力したい」と意気込んだ。
 2017年に当時の安倍晋三首相は、改憲を実現して20年の施行を目指す考えを表明し、18年に改憲4項目を作成した。だが、期限を区切ったやり方に野党が反対して国会での論議は進まず、19年参院選では与党と日本維新の会などの改憲勢力が発議に必要な3分の2以上の議席を割り込んだ。
 「改憲議論を進める最初の一歩」(菅義偉前首相)と位置付けられた改正国民投票法は今年6月に成立。改憲に必ずしも積極姿勢を示さない立民は、施行後3年をめどに広告や運動資金規制などについて必要な措置を講じる付則を追加したことで賛成に回った。
 立民が論議を求める項目は自民とは大きく異なり、権力側を縛ることに主眼を置く。安倍・菅政権が、憲法に基づく野党の臨時国会召集の要求を無視してきた問題もその一つだ。
 憲法53条は衆参いずれかの院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は臨時国会召集を決定しなければならないと規定するが、召集までの期限は書かれていない。立民は臨時国会の召集期限を憲法に記述すべきかの議論を進めると盛り込んだ。首相の恣意しい的な解散を是正する論議の必要性も明記し、国民民主も両項目を公約に掲げる。
 9条に関しては、立民は自衛隊明記に反対し、維新は「正面から改正議論を行う」と明記。公明は「自衛隊を明記すべきだとの意見があるが、多くの国民は自衛隊の活動を理解し支持している」と否定的で、与党内でも温度差がある。
 共産は「自民の9条改憲のたくらみに終止符を打つ」と指摘。れいわは「現行憲法の実践を」と訴え、社民は「変えるべきは憲法ではない」とした。(山口哲人)
衆院選2021
衆院選2021

おすすめ情報

衆院選 総合の新着

記事一覧