安倍・菅政権の「負の遺産」清算、自民は末尾に数行のみ、多くの党は具体策示す 岸田首相は演説で「おわび」も...

2021年10月24日 06時00分
 衆院選では、9年近く続いた安倍・菅政権下で政治不信を増大させた「政治とカネ」や森友・加計学園問題などの「負の遺産」を、どう清算するかが争点になっている。多くの党が政治の信頼回復を公約に掲げ、具体策を示したのに対し、自民党は政策集の末尾に数行記載するのみ。温度差が鮮明になっている。(山口哲人、上野実輝彦、井上峻輔)

◆安倍氏と菅氏 「負の遺産」に触れず野党批判

 「この選挙区では自民党国会議員が『政治とカネ』で大変な事件を起こして辞職した。心からおわびしなければならない」
 20日に広島入りした岸田文雄首相(自民党総裁)は、衆院広島3区の公明党前職の応援演説でこう陳謝した。
 広島3区は2019年参院選の広島選挙区を巡る大型買収事件で逮捕され、実刑判決が下った河井克行元法相の地元。河井元法相は有罪判決を受けた妻の案里元参院議員とともに議員辞職し、自民党が選挙区を公明党に譲った経緯がある。
 演説で、首相は党政策集にも盛り込んだ、当選無効になった議員の歳費を返納させる法改正に意欲を示した。だが、事件に関し、なぜ党が1億5000万円もの巨額資金を河井夫妻側に提供したのか、買収に使われたのではないかなど、残る疑念には言及しなかった。
 安倍晋三元首相は21日に、菅義偉前首相は22日に首都圏で街頭演説したが、いずれも野党批判などに時間を割き、森友・加計問題を含め政治の信頼回復には触れなかった。

◆野党4党 真相究明や清算掲げる

 一方、立憲民主党は政権交代した場合、首相直轄のチームをつくり、森友・加計問題や「桜を見る会」の行政私物化疑惑の真相を究明し、情報を全て開示すると公約。枝野幸男代表はCMで「まっとうな政治を取り戻そう」と訴える。
 共産党は公約に「負の遺産の清算」を掲げる。菅氏が詳しい理由を説明しないまま任命拒否した日本学術会議の新会員候補を任命するとも明記した。
 れいわ新選組は森友・加計問題などを挙げて「一部の利害関係者のための政治を打破する」と強調。社民党は「説明する政治—モリ・カケ・桜・河井問題の解明」との公約を掲げた。
 日本維新の会と国民民主党は、公文書管理の強化など政治の信頼回復を手厚く扱ったが、森友など個別の問題は取り上げていない。公明党は「『政治とカネ』の問題にケジメを」と公約したが、他の「負の遺産」には触れていない。
衆院選2021
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