観光地復活へ後押しを 「慎重に、経済対策に軸足を移して」江の島の土産物店主

2021年10月24日 06時00分
<民なくして10・31衆院選>

◆「5割は戻ったかなあ」

 神奈川県屈指の観光名所として知られる藤沢市の江の島。「緊急事態宣言が解除されて、お客さんは5割くらいは戻ったかなあ」。島の入り口から江島神社へ続く江の島弁財天仲見世通りに土産物店を構える秋岡和行さん(70)は、店の前を行き交う観光客に視線を投げ掛けた。(吉岡潤、加藤益丈)

「観光振興策に注目している」と話す秋岡和行さん=神奈川県藤沢市江の島で

 最初に新型コロナウイルス感染対策の緊急事態宣言が出た昨年4~5月、島内の店はそろって自主的に休業した。稼ぎどきの大型連休をはさみ、大きな痛手だったが、秋岡さんも1カ月以上、店を閉めた。「今を乗り切れば」という思いだった。だが、その後も感染の波は押し寄せ、売り上げがコロナ前の半分以下に落ちこむ月が続いた。
 政府のコロナ対応には首をかしげた。「いつも中途半端で、結果的にだらだらと何度も感染の波を招いてしまったのではないか。感染症の専門家の意見を聞いているようで、実際は別の判断が働いていたように感じた」

◆店のターゲットを若者に転換

 10年ほど前、母親から店の経営を引き継いだ。長く勤めた大手ハンバーガーチェーンでの経験を生かし、ターゲットを若者向けに転換。オリジナルデザインのTシャツやトートバッグなどを並べ、売り上げを大きく伸ばした。現在、客層の8割は10~20代。「若い人が来てくれなかったら、コロナ禍で店は続いていなかったかもしれない」
 衆院選で注目しているテーマは「経済をどう動かすのか、観光振興をどう考えるのか」。新型コロナについては「ワクチンの接種者が増えて、これからそれほど大きな波は来ないのでは」とみている。「慎重に、でも、経済対策に軸足を移してほしい」

◆「Go To トラベル」の再開に期待

 この選挙で、各党はコロナで打撃を受けた事業者への給付金の支給や補填ほてんなどをうたう。観光業に限った支援策として、自民党は停止中の「Go To トラベル」の早期再開を、公明党は感染収束を前提に「新・Go Toキャンペーン(仮称)」の実施を掲げる。秋岡さんも「(Go Toは)早く復活してほしい」と期待する。だが具体的な時期は分からないし、観光業全体に効果が及ぶとは限らない。
 選挙は欠かさず投票してきた。政党では決めない。新聞を丹念に読み、候補者や政党の考えを確かめ、信頼する周囲の人たちの声も参考にして投票先を選ぶ。「若い人も関心を持って、ぜひ投票に行ってほしい」と話す。
 
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