なぜ日程ずらす? 2週連続で投開票実施の東京・葛飾区、同日選なら投票率向上も見込めるが…

2021年10月23日 19時59分
 東京都葛飾区の歩道沿いにある選挙用のポスター掲示板には、「これでもか」と言わんばかりに計93人分の枠が並ぶ。見れば31日投開票の衆院選に加え、来月7日投票(翌日開票)の区長選・区議選用もある。区民は2週連続で投票所に行くことになるが、「別々で良い」と好意的な声も聞こえる。なぜ同日選にしなかったのか—。(太田理英子)

区長選、区議選、衆院選候補者のポスター掲示板=23日、東京都葛飾区で

 掲示板の内訳は衆院選東京17区10人分と、現職と新人の2人が出馬表明している区長選7人分、区議選(定数40)76人分。今は19日公示の衆院選に届け出た4人分のポスターが張られているだけで、少しさみしい。
 区選挙管理委員会が任期満了に伴う区長選・区議選の日程を31日告示、来月7日投票と決めたのは8月。一方で衆院選の投開票日は11月前半と予想して準備を進めてきた。
 ところが10月4日、岸田文雄首相が衆院選の投開票を31日にすると表明。区長選・区議選を前倒しすれば、3つの選挙を同日にできることになった。
 それでも、区選管は当初の日程で進める方針で一致していた。ネックは区議選。事前の立候補予定者説明会に68人が集まり、前回(2017年)の立候補者59人を上回る可能性がある。立候補予定者が多い要因の1つが、既成政党に属さない独立系候補の増加だ。
 区内では7月の都議選でも「当選したらすぐ辞めます!」などと、ユニークな公約を掲げる独立系候補が複数立ち話題に。「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」の立花孝志党首が2017年の都議選後の葛飾区議選に当選し国政進出の足場にした影響があるとみられ、一部の候補者は「都議選出馬は知名度を上げるためで、本命は区議選」としていた。「立候補予定者は尋常ではない人数。投開票を早めれば準備が間に合わない人もでてくる」。区選管の木下雅彦事務局長は説明する。
 21日までに区議選立候補の事前審査を済ませたのは51人で、十数人がまだ必要書類を整えられていない。衆院選と同日選なら投票率向上も期待できたが、木下事務局長は「いかに正確、確実に進めるかを重視した」と言う。
 2週連続の投票を、区民はどう受け止めるのか。区役所で衆院選の期日前投票をした同区青戸の会社員伊藤芳雄さん(69)は「なんで日程をずらすのか分からない」と苦笑しつつ「必ず投票するから、2回来ることは苦ではない」。同区東四つ木の主婦(69)は「いくつも選挙が重なると混乱して候補者名を間違えそうだから別々で良い」と話す。
 政党公認を得て区議選に出る新人女性は、衆院選期間中は政党名を使った一部政治活動が制限されるが、「街頭で衆院選への関心度の高さを肌で感じており、この流れで区議選を迎えられる」と前向き。弁士の調整や選挙はがきなどの準備に追われていた。

◆首都圏7自治体の市長選などが衆院選と同日実施

 31日は衆院選の投開票だけではなく、首都圏では川崎市や埼玉県越谷市など7自治体で市長選や市議会補選も実施される。最高裁判事の国民審査も合わせると、最大5つの投票箱が必要となる自治体もある。
 市長選などは単独で実施するよりも、衆院選と同日の方が投票率が上昇する可能性が高い。川崎市長選は衆院選の日程決定後に、投開票日を当初の予定よりも1週間遅らせた。川崎市選管によると、過去の実績から、市長選の投票率は単独実施と比べて約20ポイント高くなることが見込めるという。
 衆院選1週間後の11月7日には葛飾区長選と区議選のほかに、茨城県神栖市長選と栃木県市貝町長選も予定されている。(小川慎一)
衆院選2021
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