「王国」に挑む野党共闘 衆院選とうきょう・注目区ルポ

2021年10月24日 07時27分
<東京25区 青梅・昭島・福生・羽村・あきる野市、西多摩郡>
 「保守地盤の西多摩地域も変わってきた」。あきる野市のJR秋川駅前で二十日午後、立民の島田幸成さんが力を込めた。周囲には同党と共産の市議ら。村木英幸市長も「野党連立政権で政治を生まれ変わらせよう」と呼び掛けた。
 保守王国だった西多摩地域の「変化」の一つが、村木市長が誕生した二〇一九年の市長選だ。立民、共産などの市議が野党共闘で、新人の村木市長を支援。国政での野党共闘を目指す市民連合も政策協定を結び、僅差で自民、公明が推薦する現職候補を破った。
 当時、「市民連合あきる野」代表として選挙を支援した山下千尋さんは、今回の選挙で島田さんを支持する「東京25区市民連合連絡会」共同代表に名前を連ねる。「市長選と国政選挙は必ずしも同じではない」と口元を引き締めながら、勝利の再現に期待する。
 異変は、あきる野市長選にとどまらない。今年四月の日の出町長選では、自公が推薦する新人候補を、共産市議と政策協定を結んだ田村みさ子さんが破って初当選。今回、25区で初めて独自候補擁立を見送った共産の関係者は「新しい政治を勝ち取るのが第一。チャンスはある」と話す。
 受けて立つ自民の井上信治さんは旧民主党が躍進した〇九年も議席を死守し、前回まで六回連続で当選。菅内閣では万博相として初入閣した。だが、今回は野党共闘に危機感を強める。
 「十八年間国会で働いてきた。人脈があり、発言力や実行力も高めてきた」。十九日には、秋川駅でこう実績を訴えた。応援する自民都議は「時代は『反自民』。前回までは野党が二人以上出ていたが、今回は一本化した。これは脅威だ」と支援を呼び掛けた。
 野党系首長の誕生のほかにも懸念材料がある。二〇年の奥多摩町長選では、自民推薦の現職が、今年七月の都議選青梅市選挙区では自民新人が、いずれも都民ファースト系候補に敗れた。国政進出を断念した都民ファに期待する票が衆院選でどちらの陣営に流れるのかも焦点になる。
 井上さんは「対立候補のことは考えずに全力で走り回る」と支持固めを急ぐ。前回から25区に加わり、井上さんにとっては知名度不足が課題の昭島市では、公示日の夜、JR昭島駅前で出陣式。臼井伸介市長らの応援を受け「地元昭島・西多摩選出の前議員です」と強調した。(布施谷航、林朋実)=おわり
衆院選2021
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