<新型コロナ>米経済対策 さらに膨張恐れ リーマン時の3倍 救済法成立

2020年3月29日 02時00分

27日、ワシントンのホワイトハウスで経済対策法の署名式に臨むトランプ米大統領=AP・共同

 【ワシントン=白石亘】トランプ米大統領は二十七日、新型コロナウイルスの感染拡大に対する二兆二千億ドル(約二百三十七兆円)の経済対策法案に署名、成立した。二〇〇八年秋のリーマン・ショック時の三倍に及ぶ過去最大規模の対策で家計や企業への打撃を和らげる。だが感染の終息は見通せず、財政出動が底無しに膨張する恐れもある。
 「ウイルスとの戦争」という未曽有の事態を受け「前例のない規模とスピード」(米CNBCテレビ)で成立した経済対策は「緊急救済」の色彩が強い。
 典型的な四人家族に最大三千四百ドルの現金を給付。仕事を失った平均的な労働者は最長で四カ月、「給与の100%」の失業給付を受け取れるようにするなど、平時なら大盤振る舞いと取れる政策が並ぶ。
 感染者が十万人を超え、今や世界最多の米国では、外出禁止で営業できなくなったレストランなどで従業員の一時解雇が相次ぎ、二十一日までの一週間で失業保険の新たな申請は三百二十八万件に達しリーマン時の五倍に膨れ上がった。
 このため、まず失業者が路頭に迷わないよう生活費を保障したり、倒産を防ぐために中小企業の資金繰りを支援したりと「止血」を優先させた。失業者や倒産の増加で経済の基盤が壊れれば、感染の終息後に景気をV字回復させるシナリオが狂いかねないからだ。
 だが感染の拡大はむしろ加速している。民主党のペロシ下院議長は「この法案が最後ではない」と語り、追加の現金給付や州の補助金を要求した。ニューヨーク州のクオモ州知事は「税収の落ち込みや教育予算の不足など州のニーズを全く満たしていない」と対策を批判。予算がさらに膨らむのは確実だ。

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