衆院選 群馬1区、公認争いで揺れた与野党…与党・オール自民には遠く 野党・共闘のチャンス逸す

2021年10月26日 07時20分

候補者の訴えに拍手する支持者たち

 群馬県内の五選挙区全てを独占する「自民王国」に対し、野党が共闘を掲げて挑む選挙戦。焦点の群馬1区では、与野党ともに公認を巡る争いで揺れ、各陣営に影響を残している。(池田知之、安永陽祐) 

◆1区

中曽根康隆(39) 党外交副部会長 自<前><1>=公
斉藤敦子(53) (元)大学准教授 無新
宮崎岳志(51) (元)地方創生特理事 維元<2>
店橋世津子(60) (元)前橋市議 共新
 「公認問題では、ご迷惑を掛けた。1区の公認は中曽根でよかったと思っていただけるよう、オール自民で頑張りたい」。二十四日、前橋市の県JAビル駐車場で開かれた決起集会。自民党前職の中曽根康隆さん(39)は、約三千人(陣営発表)という支持者たちを前に声を張り上げた。
 1区では二〇一七年の前回も、中曽根さんは自民前職の尾身朝子さん(60)と公認を争い、新人だった中曽根さんが比例北関東に回った。中曽根さんは故人の祖父に元首相、父に元外相を持ち、選挙区での当選にこだわる。
 今回公認を得られたのは、強固な地盤にも支えられ、昨年に党員約三千人を獲得して全国八位に食い込むなどしたのが要因という。
 激しい争いに敗れた尾身さんは今回、比例北関東へ。尾身さんも父に元財務相を持ち、党の慣例で公認は現職が優先という見方も出ていた。
 尾身さんの陣営関係者は「党本部の決定なので甘んじて受ける」としながら「国政での仕事はしっかりと続けてきた。支持者はみな悔しがっている」と憤りを隠さない。自民のある地方議員は「尾身さんの支持者からは『中曽根さんには投票しない』との声も聞こえている」と明かす。「オール自民」とはいかず、しこりは今後も残りそうだ。
     ◇
 一方の野党も、1区では自民の争いという大きなチャンスを生かせず、共闘は実現しなかった。
 立憲民主党は昨年、一九年の参院選で旧立民から出馬した新人の斉藤敦子さん(53)を公募で選出。しかし、党本部は公認を出さなかった。斉藤さんは参院選落選後「県連幹部と信頼関係を築くのが難しかった」と一時離党したのが影響したとみられる。
 「立民の旗を掲げて走り続ける」という斉藤さんは結局、無所属で出馬して県連が支援するという形に。共産党も新人の店橋世津子さん(60)を擁立して共闘はなくなり、「自公政治を終わらせ、命を守る政治を実現したい」と主張する。
 その立民の公募に漏れた元職の宮崎岳志さん(51)は、公示直前の十五日に「自民一強に歯止めをかける」として、日本維新の会公認での出馬が決定した。
 前回の1区では、自民の尾身さんに対し、野党候補の合計得票数は約四千七百票上回った。野党共闘を各党に働き掛けた県内の市民団体幹部は「統一候補がいれば、自公政権に批判的な有権者の受け皿を一本化できた。野党の『政権を変えよう』とする本気が見えなかった」と残念がった。
 共産は2、3区で立民候補を支援し、4区は擁立した候補を取り下げて一本化。5区は共産が候補者を擁立したが、立民はしなかった。

候補者が乗る選挙カーに手を振る支持者たち=いずれも県内で

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