スーダンで軍事クーデター抗議に兵士が発砲、市民100人以上が死傷

2021年10月26日 10時57分

25日、スーダン首都ハルツームで、軍を非難し抗議する人々(AP)

 【カイロ=蜘手美鶴】軍が暫定政府首相らを拘束し、政権を掌握したアフリカ北東部スーダンで25日、同国軍兵士が軍事クーデターに抗議する市民らに発砲、少なくとも7人が死亡、140人が負傷した。首都ハルツームを中心に各地で数千人規模の抗議デモが行われ、軍との間で衝突が起きている。ロイター通信などが伝えた。
 発砲があったのは、ハルツーム近郊のオムドゥルマン。情報省などによると、軍司令官で統治評議会のブルハン議長が暫定政府の解散を宣言した後、市民らが路上で抗議活動を始め、道路を封鎖していた兵士らと衝突した。また、ハルツームの軍本部前にも市民らが集まり、「文民統治が市民の選択だ」などと叫び、タイヤを燃やすなどして抗議した。
 軍は25日朝、ハムドク首相や閣僚らを拘束、全土に非常事態宣言を出した。スーダンでは2019年、約30年続いたバシル軍事政権が民主化デモで倒れ、軍民統治の暫定政府が民政移管を進めていた。軍は早急に新政府を発足させ、23年7月に議会選挙を行い、民政移管を完了させるとしている。

◆国連事務総長「ただちに対話に戻らなければ」クーデター非難

 【ニューヨーク=杉藤貴浩】国連のグテレス事務総長は25日、スーダン暫定政府のハムドク首相らを拘束した同国軍について「進行中の軍事クーデターを強く非難する」と、ドゥジャリク事務総長報道官を通じて声明を発表した。
 声明は「首相や政府高官らの違法な拘束は容認できず、スーダンの(民政)移管に不可欠な憲法文書に違反している」と指摘し、拘束された人々の即時解放を要求。軍や暫定政府などの利害関係者に対し「ただちに対話に戻らなければならない」と呼び掛けた。
 スーダン担当のペルテス事務総長特別代表は同日の記者会見で「何千人もの人々が(首都)ハルツームと全国各地で軍の行動を非難し、民政復帰を求めて抗議している」と述べた。
 ロイター通信によると、安全保障理事会は米英仏などの要請で26日にスーダン情勢を非公開で協議する可能性があるという。

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