ゴッホ展アンバサダー 浜辺美波の私のイチオシ!(下)「女の顔」 鑑賞者の感情 投影される

2021年10月27日 07時30分

フィンセント・ファン・ゴッホ 1884年11月〜85年1月、クレラー=ミュラー美術館

 切なさ、絶望感…。図録などで見た時に抱いたそんな印象が、作品を前にすると微妙に変化する。瞳に宿る小さな光や肌のつややかさ、頬や唇の赤み…。暗がりの中でこそ映えるほのかな色彩や輝きに救いも見いだす。
 私も経験あるが、感情を全く読み取れない表情に出会うことは誰しもあるはずだ。怒っているのか喜んでいるのか、つらいのか楽しいのか分からない。そんなとき、かすかな戸惑いも感じてしまう。
 よく考えれば人の感情は単純ではない。表情もそう明快であるはずがない。ゴッホは面相学に関心が高かったという。表情から内面を必死に探り、心のひだが表情に再現されるように描いたのではないだろうか。
 「女の顔」の内面は悲しみだけではない。では、どんな思いで、何を考えているのか。鑑賞しながら、想像を巡らせる私自身の感情が投影されている気さえしてくる。 =おわり

◆東京都美術館で12月12日まで

 「ゴッホ展−響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」は12月12日まで東京都美術館で開催中。日時指定予約制。会場で当日券を若干数販売(売り切れ次第終了)。

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