秋口つらい「寒暖差疲労」 倦怠感や肩こり…在宅増え出やすく 温浴、運動 自律神経に効果

2021年10月27日 11時11分
 各地で続いた季節外れの残暑から一転、肌寒い日が急に増えてきた。この時季に気を付けたいのが、「寒暖差疲労」だ。気温差が大きいと、体温を調節する自律神経の働きが乱れ、さまざまな不調が現れやすくなる。特に今年は新型コロナウイルスの影響で寒暖差疲労になりやすいといい、専門家は注意を呼び掛ける。 (熊崎未奈)
 「倦怠(けんたい)感や頭痛がずっと続いている」「首や肩がこってつらい」。せたがや内科・神経内科クリニック(東京)には、気温が下がる毎年十月中旬から十一月末にかけて、不調を訴える患者が多く訪れる。院長の久手堅(くでけん)司さん(49)は「寒暖差疲労の代表的な症状が多い」と指摘する。
 私たちの体には、自律神経を使って体温を自動調節する機能がある。暑いときは体の表面に近い血管を広げて熱を体外へ逃がし、汗もかいて体温を下げる。逆に寒いときは血管を収縮させて放熱を抑える。気温差が大きくなると、自律神経が過剰に働き、体が疲れてしまう。これが「寒暖差疲労」の状態だ。
 久手堅さんによると、一日の最高、最低気温の差▽前日との気温差▽室内外の温度差−のいずれかが「七度以上」になると、疲労が出やすくなるという。
 ガス機器大手のリンナイ(名古屋市)が八月、二十〜六十代の男女約二千三百人に聞いた調査では、「夏から秋の変わり目で体調を崩したことがある」と答えた人は67%に上る。最も多い症状は疲労で、ほかには肩こり、倦怠感、頭痛、冷えなど身体的な不調から、イライラなど精神的な不調まで、さまざまだった。
 久手堅さんが作った簡易チェックシート=図=で、四項目以上あてはまる人は「寒暖差疲労予備軍」の可能性が高く、注意が必要だ。特に女性は、男性に比べて筋肉量が少なく発汗する力が弱い上、生理周期によってホルモンバランスが崩れやすいため、寒暖差疲労を起こしやすい。
 屋外での作業より、デスクワークが多い人に不調が出やすい傾向もある。一定の温度下にいる時間が長いと、室内外の急激な温度変化に体が対応しきれなくなるからだ。また、同じ姿勢でパソコンやスマートフォンを見続けると、首や肩がこって筋肉が緊張し、自律神経の乱れにつながりやすくなるという。
 「コロナ禍の影響で寒暖差疲労のリスクはより高まっている」と久手堅さん。在宅勤務や外出自粛が続き、運動不足やストレスで自律神経が正常に働きにくくなっているからだ。効果的な対策は、入浴で体を温めること。三八〜四〇度のぬるめのお湯に十〜十五分間、漬かるといい。熱すぎたり、時間が長すぎたりすると、心臓への負担がかかり、脱水の心配もある。
 ウオーキングなど適度な運動も重要。仕事中も一時間に一回程度、首や肩を二〜三分ほど回したり、背伸びをしたりするだけでも血行が良くなる。耳たぶの少し上を五〜十秒、水平方向に引っ張ったり、耳を上下に動かしたりする「耳たぶストレッチ」もお勧めだ。首から肩にかけて血流が良くなり、自律神経を整える効果が期待できる。
 寒暖差疲労は蓄積するほど、さまざまな不調が連鎖的に出やすくなる。久手堅さんは「日頃からこまめに対策をして、疲労をためないことが一番大事」と強調する。

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