台湾の国連機関参加支持を 米国務長官が声明で呼び掛け、中国は猛反発

2021年10月27日 21時36分
米ニューヨークの国連本部

米ニューヨークの国連本部

 【ワシントン=金杉貴雄、北京=中沢穣】ブリンケン米国務長官は26日、台湾の国連機関などへの参加を支持するように、国連の加盟国に呼び掛ける声明を発表した。台湾の国際的な孤立を図る中国に対抗する狙いがある。中国外務省は「米国が台湾カードを使い続ければ、両国関係をひっくり返す巨大なリスクとなる」と猛反発。国際機関参加を巡る台湾の扱いが米中対立の争点となりつつあり、各国が対立に巻き込まれる可能性もある。
 ブリンケン氏は声明で、台湾について「民主主義の成功例であり、透明性や人権の尊重、法の支配といった国連の価値観と一致している。国際社会は大切なパートナーで信頼できる友人と見なしている」と評価。新型コロナウイルスへの対応など地球規模の課題で学ぶことが多いとして「台湾の排除は国連や関連機関の機能を損なう」と主張し、すべての国連加盟国に向けて台湾の参加を支持するように呼び掛けた。
 台湾は新型コロナへの効果的な対応が国際的に注目され、先進7カ国(G7)は台湾が世界保健機関(WHO)総会にオブザーバー参加することに支持を表明している。
 台湾外交部(外務省)はブリンケン氏に謝意を示し、「米国など理念の近い国家と緊密に協力し、民主と自由という価値観や、ルールに基づいた国際秩序を守っていく」と表明した。
 一方、中国外務省の趙立堅ちょうりつけん副報道局長は27日の定例記者会見で、「強烈な不満と断固とした反対」を表明し、米国に抗議したことを明らかにした。台湾は中国の不可分の領土の一部と強調し、米国に「一つの中国」の原則を守るように要求した。また台湾当局に「台湾分裂の立場にしがみつけば、台湾海峡の平和と安定への現実的な脅威となる」とくぎを刺した。
 台湾は、1971年10月の「アルバニア決議」によって国連の代表権を失い、関連機関からも追放された。代わって代表権を得た中国は、台湾の国際機関への参加を拒むために各国に圧力をかけてきた。ただ台湾の馬英九ばえいきゅう政権下で中台関係が改善した2009?16年には、WHO総会に台湾がオブザーバー参加するのを認めていた。

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