注目区を歩く 神奈川18区 政権批判票のゆくえは

2021年10月28日 07時13分
 18区(川崎市中原区西部、高津区、9区以外の宮前区)では、政権発足の勢いに乗る新閣僚と、政権への批判票を集約したい野党の二候補が対峙(たいじ)。前回の総選挙から二度の首相交代を重ねる自公政権への評価を巡り、激しい舌戦が繰り広げられている。(竹谷直子)

◆18区 川崎市中原(西部)・高津・宮前区(9区を除く区域)

三村和也 46 立元<1>
横田光弘 63 維新 
山際大志郎 53 自前<5>
 「菅前総理の唯一の欠点は、国民への説明があまりお上手ではなかったことだ」
 川崎市高津区の溝口神社で十九日に開かれた出陣式で、自民前職山際大志郎さん(53)が初入閣への感謝とともに切り出したのは、前首相に対する評価だった。
 一見辛口の分析でアピールしたのは、政府のコロナ対策への努力と成果。岸田政権の経済再生担当相として「何がまずかったか、ちゃんと検討して皆さんにお伝えする」と訴え、コロナ対策に奔走する姿勢を強調した。地元入りの機会もほとんどないが、陣営では「大臣が前回より票を落とすことはできない」と気を引き締める。
 自民陣営に挑むのは、野党統一候補として立つ立民元職の三村和也さん(46)と「第三極」を掲げる維新の新人横田光弘さん(63)。
 県内では十八選挙区のうち、野党統一候補は九人。衆院解散直前の今月十三日に、共産が2区と13区で候補予定者を取り下げるなど「野党共闘」も進んでいる。18区も早くから模索してきた選挙区だ。
 前回、小池百合子東京都知事が立ち上げた旧希望の党への合流騒動で旧民進が分裂。2区から国替えした三村さんは旧希望から出馬し、野党候補の統一は頓挫した。
 18区はかつて、山際さんと旧民主系の候補が交互に当選してきた因縁の選挙区。自民が政権復帰を果たした二〇一二年の選挙から負け知らずの山際さんから議席を奪うため、三村さんは、野党共闘を後押しする市民グループ「神奈川18区市民の会」の呼び掛けに呼応。旧希望への反発が根強い市民らと対話を重ね、十月三日に支持をとりつけた。
 ただ、野党共闘に忌避感の強い川崎の地域連合への配慮から、政策協定書への調印はしていない。共産の地域組織や政治団体「緑の党」が三村さんの政策を「評価する」という形で共闘を実現。三村さんは「公文書すら平気で偽造する乱暴な政治は許されない」などと訴え、政権批判票の集約を図る。
 一方、横田さんも森友学園への国有地売却にからむ公文書改ざん問題などを挙げながら自民批判を展開。「自民党政権に不満を持っている人、野党共闘に疑問を持っている人、両方の受け皿になる」とし、保守票の掘り起こしを狙う。

候補者の演説に熱心に耳を傾ける聴衆=川崎市で

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