米中対立に距離置く姿勢 ASEAN首脳ら南シナ海情勢やAUKUS巡り懸念

2021年10月28日 20時16分
27日、オンライン形式の東アジアサミットで話すバイデン米大統領=ブルネイ政府提供・AP

27日、オンライン形式の東アジアサミットで話すバイデン米大統領=ブルネイ政府提供・AP

 【バンコク=岩崎健太朗】東南アジア諸国連合(ASEAN)のオンラインによる一連の首脳会議が28日、閉幕した。南シナ海でも海洋進出を強める中国を引き続き警戒する一方、ASEAN加盟国からは米英豪による新たな安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」についても「緊張を高める」との声が上がり、米中対立から距離を置く姿勢が重ねて示された。
 関係国を交えた27日の東アジアサミットには、米大統領として5年ぶりにバイデン氏が参加。「ASEAN軽視」とされた前政権からの関係修復に向け、「インド太平洋地域に永続的に関与する」と表明した。中国の南シナ海の軍事拠点化などを「国際的なルールに沿った秩序への脅威だ」と批判し、航行の自由の重要性を強調した。
 米欧の介入に反発する中国の李克強首相は「南シナ海情勢は安定している」と強調。「南シナ海の平和は中国とASEANの一致した利益だ」と述べ、ASEANと「行動規範」策定を急ぎ、紛争回避にあたる考えをあらためて示した。
 一連の首脳会議では、日米豪印の「クアッド」やオーカスなど欧米の対中戦略強化による不測の事態に巻き込まれることを危惧する意見が加盟国から相次いだ。インドネシアのジョコ大統領は「地域の対立に火をつける可能性がある」と指摘。南シナ海での中国船の度重なる「侵入」に抗議を繰り返すフィリピンも、ドゥテルテ大統領が「安全保障を複雑化せず、地域の平和と安定の促進を補完するものでなければならない」と主張した。
 中国の海洋進出活発化には、ASEAN首脳会議の議長声明で「海洋環境に被害を与える埋め立てや深刻な偶発的衝突が、地域の平和や安定を損なう恐れがあると一部の国から懸念が表明された」と従来表現を維持し、自制を求めた。

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