政治に届け若者の思い 「将来の課題を政策に」「SNSで意見発信」「投票行き考え示す」

2021年10月30日 07時42分

選挙や政治に対する思いを語る(左から)山本早紀さん、篠原恵太郎さん、中村紘規さん=さいたま市で

 選挙のたびに話題になる若年世代の低投票率。「若者は政治に無関心」という決まり文句に当事者たちも危機感を抱いており、埼玉県内在住の大学生三人は、一票を通じて政治に自分たちの声を届けようと願う。(杉原雄介)
 「学校で政治のことを教わらないから、十八歳になって選挙に行けと言われても、何を判断基準にしていいか分からない」。早稲田大三年の山本早紀さん(21)=さいたま市大宮区=は困り顔だ。
 中学、高校で三権分立や国会の仕組みは学んだが、議論が分かれる政治テーマは先生が教育の政治的中立を理由に言及しなかった。友人との間でも、政治の話題は「口に出すと『思想が偏ってるのかな』と思われちゃう」として、タブー視される風潮があるという。
 社会や政治に全く関心がないわけではない。成蹊大四年の中村紘規さん(22)=行田市=は、「#Me Too」運動がツイッターで世界的に広がった時、多くの友人が関連投稿をリツイートしていたと振り返る。
 創価大四年の篠原恵太郎さん(22)=上尾市=も、コロナ禍を機に友人との会話で政治の話題が増えた。「十万円が支給されたり、ロックダウンが議論されるようになったことで、政治が自分の生活に密接に関わっていると気付いた」
 ただ、そうした興味や関心が身近な同世代の間で衆院選の投票意欲につながっているかというと、三人とも首をかしげる。
 中村さんは会員制交流サイト(SNS)の影響が大きいとみる。「#Me Too」運動などを例に「自分たちの世代は、手間をかけて投票に行くより、SNSで意見を発信する方が社会を動かせると思っているのかも」と推測する。
 それでも三人は選挙に行くという。山本さんは「高齢者の投票率が高いと政治家もそちらを向き、高齢者向けの政策が多くなる。若者がもっと投票しないと、自分たちが良くなるような政策が出てこない」と指摘。少子高齢化や環境問題など「将来の自分たちに関わる課題が後回しにされているように感じる」と不安を口にする。
 篠原さんも「若者の投票率が上がれば、『自分たちもしっかり考えているよ』ということを社会に示せる」と強調する。コロナ禍では若者の行動が感染拡大の要因とされ「自分たちも我慢している。若者をターゲットにしても世代間の分断をあおるだけ」と憤る。投票率という目に見える結果を通じて、政治が自分たちと本気で向き合うきっかけになれば−。衆院選はそのチャンスだと捉えている。

関連キーワード


おすすめ情報

埼玉の新着

記事一覧