[大物釣り] 神奈川県横須賀市 青木恭子(80)

2021年10月31日 07時42分

◆わたしの絵本

イラスト・まここっと

◆300文字小説 川又千秋監修
[えっ!?] 愛知県安城市・会社員・58歳 山越清則

 野菜サラダに「ドレッシングをよく振ってかけて」と妻が言うので、思い切り振ったら、ふたが外れて中身が飛び散った。
 えっ!
 一面ドレッシングの海。
 おなかがすいたので、カップ麺を食べようと、ふたを開けて、粉末スープを入れて、ポットのお湯を注いだら、えっ!?
 カップに半分のところで、お湯がなくなった。
 三分の倍の六分待てば、食べられるかな?
 冷え込みが厳しくなって、寒い寒いと言って帰ったら、妻が「寒いんだったら夕食の前にお風呂にどうぞ」と言うので、服を脱いで風呂のふたを開けると、えっ?
 お湯がない。せめて服を脱ぐ前にわかっていれば…。
 おかげで風邪をひいてしまった!

<評> 考えてみれば、世の中は想定外の連続で成り立っているように思えます。でも、そんな大慌ての場面で、ふだんなら思いつくはずのないとっぴなアイデアが生まれることもあるのではないでしょうか。

[実は…] 岐阜県垂井町・主婦・57歳 廣岡佳都 

 夫が突然、「実はな、俺スパイなんや」と言ってきた。
 (またか…)
 この類いの戯(ざ)れ言は、さんざん聞かされてきたので、「ふーん」とやり過ごす。
 夫の「実は」シリーズは、他にも。
 「ジョージ・クルーニーに、よく間違えられる」
 「アングロサクソンの血を引いている」
 「先祖はお殿様」
 「深キョンと知り合った」…などなど。
 よほど承認欲求が強いのか。それとも妄想癖があるのか。
 最初のうちは面白がって相手をしていたが、最近面倒くさくて仕方ない。
 いっそ、こちらから「実は私、結婚詐欺師なの」と、通帳をちらつかせて言ってみるか。
 夫は、どんな顔をするだろうか。

<評> ご主人の謎かけに、反応しないのはもったいない。ならば目先を変えて、満月の夜、空を指さして「実は私、かぐや姫だったの。これから故郷へ帰らせてもらいます」と告白してみてはいかがでしょう。


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