真 ・東京03探検隊「いやもう人間じゃん(笑)」 最新技術の未来とは?(日本科学未来館 前編)

2021年11月10日 10時00分

お笑いトリオ“東京03”が、大人の好奇心を満たすディープな世界に飛び込む!

お笑いトリオ「東京03」のメンバーが、これまで知らなかった未知なる世界に足を踏み入れ、さまざまな新発見と出合う人気の連載。
考古学、芸術、科学、サブカルなど、あらゆる分野に触れて見聞を広め、“デキる大人”としてのたしなみを磨きます!
突然ですが、みなさんは未来について考えたことはありますか? 日々、進化する科学テクノロジーによって、私たちの生活はどんどん便利になっていますが、果たしてこれがこの先もずっと続くのでしょうか? 快適な暮らしの裏には、地球環境の破壊やモラルの問題など、解決すべき課題も山積みです。ただ科学の恩恵を受け続けるだけでは、きっと明るい未来は消えてなくなってしまうでしょう。
最新の技術にふれて想像をふくらませ、豊かな未来とはなにかをしっかり考えることが、現代社会を生きるひとり一人に求められること。そのきっかけとなるスポットが都内にあるということで、探検隊の3人が潜入してきました!
【今回の取材の裏側を動画でご覧いただけます】
これからも「真 東京03探検隊」取材の様子をご覧になりたい方は是非YouTube『東京新聞チャンネル』にご登録ください!

最新テクノロジーで、近未来を体感!


東京都江東区の湾岸エリア、近代的で巨大な建物の前に集まった3人。JST(国立研究開発法人科学技術振興機構)が運営する国立の科学館「日本科学未来館」です。館内には、見て、触れて、学べる科学技術がたくさん展示されているそうですよ。
さっそく行ってみましょう!
さわやかな笑顔で迎えてくれたのは、科学コミュニケーターの松谷さん。今回の案内人を務めていただきます。
松谷さん
「この施設では最新の科学技術を通して、未来の地球や社会について考えるきっかけを持ってもらうことをコンセプトのひとつにしています」

飯塚隊員

飯塚隊員

「なるほど。 “わー、すご~い!”っていうだけではないということですね」


松谷さん
「はい。地球環境はもちろん、進化し続けるAI(人工知能)や医療の分野にも課題は多い。そういったことに関して、来場された方ひとり一人が自分なりの問いや疑問を持ってもらえればと」

常設展示は、吹き抜けになった3階と5階のフロアに分かれており、まずは3階から見学をスタートします。
豊本隊員

豊本隊員

「なんか、でっかい“地球”が浮かんでますけど(笑)」


松谷さん
「あれについてはのちほど。まずは、“計算機と自然、計算機の自然”のブースからご案内します」

<br>飯塚隊員

飯塚隊員

「計算機?電卓とかのことですか?」

松谷さん
「ここでは簡単にいうと、コンピュータやAIのことを“計算機”と呼んでいます。これらは人類が作り出したテクノロジーで、自然に存在するモノとは対極に位置していますよね」

角田隊員

角田隊員

「はい、そうですね。それは分かります」


飯塚隊員

飯塚隊員

「自然に存在するモノって、森とか海とか動物とか?」


松谷さん
「はい、もちろん私たち人間も含まれます。ですが、コンピュータやAIの解像度や処理能力がどんどん向上するにつれ、そういった自然に存在するモノとの境界線がどんどんあいまいになってきています」

角田隊員

角田隊員

「はいはいはい…。ちょっと何言ってるのかよく分からない」


松谷さん
「元来の自然界と、科学テクノロジーが作り出したデジタル世界との区別がつかなくなってきているといいますか。そうして行き着く先の近未来はどうなっているんだろう、というのがこのブースのテーマなんですけど」
うーん、なかなか難しそうですね。展示を見ながら理解していきましょう。

「例えばこれ。平面に〇△□の抽象的な絵が描かれているように見えますよね」と松谷さん。実際は、3つのオブジェが宙にぶら下がった立体物なんです。

角田隊員

角田隊員

「いやー、近づかないと平面にしか見えないや。なんでこんなことになるの? なんで?なんで?」

松谷さん
「私たちがモノに立体感や奥行きを感じられるのは、反射した光を見ているから。これは光をほぼ反射しない特殊な塗料を用いているので、平面に見えてしまうんです」

続いて「どなたか、一枚取ってみて下さい」と松谷さんが示したのは、畳の上にまかれた百人一首の絵札。

角田隊員

角田隊員

「おっ、百人一首じゃん。取るだけなんて造作もな…、あれ?あれ?」


何度やっても取ることができない角田隊員。それも当然、これはプリントされたものだから。
松谷さん
「特殊なスキャニング技法を用いて影を作り、凹凸感を出しています。たったこれだけのことで、人間の感覚器官は錯覚してしまうのです」
飯塚隊員

飯塚隊員

「完全にだまされたもんねー。見えるだけでは不十分な時代になってきているってことですか」

松谷さん
「そうですね。いま見ていただいたものは目の錯覚を利用した簡単なものですが、技術が進歩してもっともっとリアル化していけば、現実とデジタルの世界が融合し、その違いを意識すらしない時代もくるかもしれません」
角田隊員

角田隊員

「いや、こわっ!! 」


近年はAIの進歩も目覚ましく、なんと、ゼロからモノを創造することも徐々にでき始めていると松谷さんはいいます。

3人が案内されたのは、複数のスクリーンが並んだ展示物の前。昆虫や猫、人間の顔、車などがアトランダムに映し出されています。

松谷さん
「実は今見ていただいたものは、どれも実際には存在していません」

飯塚隊員

飯塚隊員

「ん、何言ってんの?(笑)いやいやいや、いますよ。かわいい猫とかキレイなお姉さんが映っていたじゃない」

松谷さん
「これらは大量の画像データからAIが学習し、創り出したものです」

角田隊員

「まじか、学習してるんだ。いやー、そこまでできちゃうとAIに支配される時代もほんとに来るんじゃないの…」

豊本隊員

豊本隊員

「ボヤッとしているのもあるけど、これはなぜですか?」


松谷さん
「データが少なくて、まだ創造しきれていないということです。特に昆虫などは色も複雑なので、多くのデータ量が求められます」
飯塚隊員

飯塚隊員

「つまり考え中ってことだよね!? いや、もう人間みたいじゃん(笑)」

ここまで来るとAIが人間を超える日もそう遠くない気がしてきますね。しかし、人間とAIでは、得意、不得意の分野があると松谷さん。

松谷さん
「AIは多くのデータを取り込まないと答えを出せませんが、人間は、少ない情報でもそれらしい答えを出すことができますよね。あと、ルールや決まり事、目的がないこともAIは苦手。それこそ人の気持ちとか、世間話とか」

角田隊員

角田隊員

「要はくだらない話ができないんだ、AIは。大事よー、くだらない話」

●豊本隊員

豊本隊員

「でも、それも今のところ、ですよね?」

松谷さん
「そうですね(笑)。AIは進化し続けているので、未来がどうなっているかは分からないです」
飯塚隊員

飯塚隊員

「いや、僕らお笑いの世界も無関係な話じゃないでしょ。AIが芸人のデータを取り込んでコントや漫才をしたときに、はたして人間よりおもしろいのかって話ですもんね。人間だからこそっていうものがないと、僕らがやる意味がない」


角田隊員

「それはさすがに無理でしょ。いや、そうであってほしい!」


人の認識を超えつつあるAIテクノロジーですが、好奇心のままに追求し過ぎることによって、社会が「人間らしさ」を失ってしまうという問題も出てきてしまうようです。

ここまで見たのは、あくまでひとつのコーナー。広い館内には、ほかにもサイエンティフィックな展示がいっぱいです。

豊本隊員

豊本隊員

「お、アンドロイドだ。名前は“オルタ”って書いてある。なんだか、せわしなく動いてるね」

松谷さん
「よくあるロボットの決まりきった動きではなくて、センサーで正面の人を感知して動きを真似たり、新しい動きを作ったりしています。そういった意味では生き物としてのプロセスを踏んでいるといいますか。見た目は機械がむき出しですが」

飯塚隊員

飯塚隊員

「考えてるってことか。へー、おもしろい!この子とコントがしたい。1本書けそうな気がする(笑)」

そのお隣には、オルタとは対照的な人間らしい見た目に造られたアンドロイドも。
このアンドロイドを介して会話ができるそうなので、体験してみることに。飯塚隊員が“飯塚ロイド”となります。

角田隊員

「こんにちは、飯塚ロイドさん! 角田と申します」

豊本隊員

「豊本です!」


飯塚ロイド

飯塚ロイド

「どうもー、豊本さん。あら、いい男ね。お隣が角田…さん? ちょっとよく分かんない」


角田隊員

角田隊員

「いやいや、待て待て(笑)。でもあれですね、声は飯塚さんのまんまなんですね(笑)」


飯塚隊員

飯塚隊員

「あ、そうなの?(笑) 声も変換されてるのかと思ってた(笑)」


豊本隊員

豊本隊員

「だんだんほんとにアンドロイドと会話しているような気持ちになってきたよ。少し不気味かも(笑)」


松谷さん
「人によって人間らしいと感じる人もいれば、リアルさが怖いという人もいます。逆にオルタは見た目は機械ですが、動きからは人間らしい生命らしさが感じられる部分もある。そういった対比から、アンドロイドがいる未来や人間らしさとはなんなのかを考えていただきたい」

未来から遡って考える、“未来逆算思考”とは?


松谷さん
「次は、50年後の未来をテーマにしたちょっとしたゲームをやってみましょう。理想の未来を思い描き、そこから逆算して今できることを考えるという“未来逆算思考”を体験します」

角田隊員

角田隊員

「いや、何を言っているのか全然分かりません!」

松谷さん
「実際にゲームをやっていただけば、お分かりになるかと(笑)」
案内されたゲームエリアの入口には、“地球温暖化がストップした地球”、“エネルギーで豊かな暮らしができる地球”など、8つの理想の地球を表したスタンプが置かれています。
松谷さん
「まずはこの8つの中から、最も子孫に届けたいと思う理想の地球をそれぞれ選んでください」
飯塚隊員

飯塚隊員

「なるほどね。うーん、“誰もが健康でいられる地球”か。やっぱりこれが一番でしょ」


各々が理想の地球のスタンプをセレクト。

中に入ると、山なりにデコボコしたスクリーンに映像が映されています。

松谷さん
「このスクリーンは、現在から50年後までの地球の時間軸を表しています。スタート地点が現代で、そこからそれぞれの理想の地球を送り、障害物を避けながら50年後の未来まで無事届けることができればゲームクリアです」

飯塚隊員

飯塚隊員

「なるほど。テレビゲームみたい」

「今立っているのがちょうど50年後のゴール地点。スクリーンを眺めながらスタート地点まで向かいましょう」と松谷さん。

では、豊本隊員からさっそくゲームにチャレンジしていきましょう。
「50年後の未来までのルートを、障害物にぶつからないようにタッチパネルに入力して地球を送り出してください」と松谷さん

<br>豊本隊員

豊本隊員

「え? 山なりになってるから先の障害物が見えないんですけど。勘でやるってこと?(笑)」

松谷さん
「ゴール地点からここに来るまでに見てこられたと思うんですが(笑)」

飯塚隊員

飯塚隊員

「あっ、スクリーンを眺めながらって、そういうこと!?ちゃんと未来から遡って見ておけよってことね」

角田隊員

角田隊員

「いや、ずるいよー! もっとちゃんと言ってよ!」


3人とも、全く見ていなかったようですね。ですので、完全に勘の勝負になります(笑)。
案の定、豊本隊員、飯塚隊員の地球は途中の障害物にぶつかってしまい、あえなく撃沈。
そしてラスト、角田隊員の番です。

まずは、名前の入力から。

飯塚隊員

飯塚隊員

「角ちゃんは、“ポンチョ”でいいじゃん。奥さんから呼ばれている名前で(笑)」

角田隊員

角田隊員

「やめなさいよ、それを言うんじゃないよ!(笑)」


といいつつも、角田隊員はポンチョと命名。わずかな期待を抱いて地球を送り出します。
しかし、ここでミラクルが!
勘のみで送りだした角田隊員の地球は、スルリスルリと障害物を避けてどんどん進んでいきます。
飯塚隊員

飯塚隊員

「行け!ポンチョ!」

角田隊員

角田隊員

「あ゙―――!よけろ!よけろ!よけろー!!」

そしてなんと、あれよあれよと50年後の未来まで到着しました! 見事、ゲームクリアです。
「1発でクリアできる人は、すごく少ないんですよ」と、松谷さんも驚きの表情。
角田隊員、彼はやはり持っている男でした。
飯塚隊員

飯塚隊員

「さすがだね、ポンチョ!」

角田隊員

角田隊員

「いや、こんなことになるならちゃんとした名前にしとけばよかったわ!(笑)」

ゲーム終了後は各専門家からの解説と、未来逆算力が表示されます。
松谷さん
「角田さんの未来逆算力は133。非常に優秀ですね(笑)」

豊本隊員

豊本隊員

「未来逆算力というのは、分かりやすく言うと?」

松谷さん
「理想の未来に向かって、今なにをしたら良いのかということを自分で考えられるという…」

飯塚隊員

飯塚隊員

「いや、一番できない人じゃないですか、あなた(笑)」

角田隊員

角田隊員

「やめろ! 133もあるんだから。地球を救ったんだから」


松谷さん
「“未来逆算思考”という言葉自体は当館の造語ですが、その場その場で対策を講じるのではなく、理想とする未来を思い描いて、その10年手前、20年手前ではなにをすべきか。そういった逆算的な考え方が、今後の地球のために必要だろうと思います。そういったことを大人はもちろん、子どもたちにもゲーム形式で体験してもらえればと」

飯塚隊員

飯塚隊員

「ですって、角田さん。その力をこれからもっと役立ててください」


ここまでが3階フロア。続いては5階フロアへと向かいましょう。

飯塚隊員

飯塚隊員

「あ、まだ上にもう1フロアあるのか。すでに頭のなかの情報量はいっぱいですけど(笑)」

・・・・後編へ続く。
次回は、11月24日(水)更新予定です。

◆◆◆

読者プレゼントのお知らせ
今回訪れた日本科学未来館のショップでも販売しているグッズに
東京03のサインを入れてプレゼントします。
応募方法は、東京新聞ほっとWebオフィシャルTwitterにて、お知らせします。ご応募お待ちしております!
東京新聞ほっとWeb公式Twitterはこちら。
<締切>11月23日(火) 
当選者にはダイレクトメッセージでご連絡いたします。
◆◆◆
取材協力/日本科学未来館
JST(国立研究開発法人科学技術振興機構)が運営する国立の科学館。“科学技術を文化としてとらえ、社会に対する役割と未来の可能性について考え、語り合うための、すべての人々にひらかれた場”であることを設立の理念に掲げ、AI(人工知能)や地球環境、生命、宇宙など、あらゆる分野の科学技術を展示している。常設展のほか、特別展も開催。ドームシアターやレストラン、ミュージアムショップも併設している。
DATA
住所/東京都江東区青海2-3-6
入館料/常設展 大人630円、18歳以下210円、6歳以下の未就学児無料
TEL/03-3570-9151
営業時間/10:00~17:00
定休日/火曜休(祝日の場合は開館)
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今回の取材の裏側をこちらの動画でご覧いただけます。これからも「真東京03探検隊」取材の様子をご覧になりたい方は、ぜひYouTube『東京新聞チャンネル』に登録お願いします。

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