真 ・東京03探検隊「マグロ食べられなくなるの?」 最新技術の未来とは?(日本科学未来館 後編)

2021年11月24日 10時00分

お笑いトリオ“東京03”が、大人の好奇心を満たすディープな世界に飛び込む!

お笑いトリオ「東京03」のメンバーが、これまで知らなかった未知なる世界に足を踏み入れ、さまざまな新発見と出合う人気の連載。
考古学、芸術、科学、サブカルなど、あらゆる分野に触れて見聞を広め、“デキる大人”としてのたしなみを磨きます!
突然ですが、みなさんは未来について考えたことはありますか? 日々、進化する科学テクノロジーによって、私たちの生活はどんどん便利になっていますが、果たしてこれがこの先もずっと続くのでしょうか? 快適な暮らしの裏には、地球環境の破壊やモラルの問題など、解決すべき課題も山積みです。ただ科学の恩恵を受け続けるだけでは、きっと明るい未来は消えてなくなってしまうでしょう。
最新の技術にふれて想像をふくらませ、豊かな未来とはなにかをしっかり考えることが、現代社会を生きる一人ひとりに求められること。そのきっかけとなるスポットが都内にあるということで、探検隊の3人が潜入してきました!

ミクロとマクロの視点で地球と世界を考える

3階と5階のフロアを結ぶ、吹き抜けのガラス張り回廊“オーバルブリッジ”。
その螺旋状になった回廊の中央に、地球ディスプレイ“ジオ・コスモス”が浮かんでいます。
※メンテナンス工事のため、ジオ・コスモスの公開は一時休止中。再開は2022年3月末予定。

飯塚隊員

飯塚隊員

「いや、かっけー!! まさに未来って感じ」


豊本隊員

豊本隊員

「最初に見たときから気になってたんだよね、コレ」


松谷さん
「当館のシンボル展示です。約1万枚の有機ELパネルを用いて、人工衛星が撮影した地球の雲の様子をリアルに映し出しています。初代館長の毛利が、宇宙から見た地球を来場された方にも見ていただきたいということで、造りました」
角田隊員

角田隊員

「え、宇宙ってことはあの宇宙飛行士の毛利衛さん?」

松谷さん「はい。2021年3月まで館長を務めていました」
ジオ・コスモスを眺めながら、回廊を上っていく3人。
豊本隊員

豊本隊員

「これはいつ頃の地球の様子を映しているんですか。リアルタイム?」

松谷さん
「いえ、リアルタイムではなく、過去3か月分を毎日更新して映しています。なので、今日と明日では雲の動きは微妙に異なります。大きさは大体200万分の1くらいのスケールですね」

飯塚隊員

飯塚隊員

「すげー。なかなかこれだけの規模で地球全体を見ることってないよね」


角田隊員

角田隊員

「これだと人は、0.1ミリにも全然満たないってことか。なんかそう考えるとはかないっすねー」


3階は主に最新の科学テクノロジーの展示、5階では、地球環境や生命など、私たちが生きる世界そのものをミクロやマクロな視点から探っていく展示が中心です。
豊本隊員

豊本隊員

「ミクロとマクロ、といいますと?」

松谷さん
「例えば、ミクロだと人間の細胞とか。館内には細胞をテーマにしたブースもあり、再生医療が進んだ未来ではどういったことが待ち受けているかをアニメーションなどで学ぶことができます」
「地球環境については、マクロな視点から見ていきましょう」と案内されたのはタッチパネル式のテーブルの前。
松谷さん
「科学の発展とともに観測技術も進歩し、地球で今、起きていることがより鮮明に分かるようになってきました。それを可視化したのが、この“ジオ・スコープ”です」

飯塚隊員

飯塚隊員

「CO2とか、地球温暖化とか、地震とかいろいろあるよ」


松谷さん
「気になるものをタッチしてみてください」

「じゃあ、まずはやっぱり地球温暖化から見ていきますか」と、パネルをタッチする飯塚隊員。
1850年から現代にかけての全世界の気温の変化が、時代を下りながらパネルに映し出されていきます。
松谷さん
「赤い部分が平均気温より高く、青い部分が低くなっていることを表しています。平均気温なので赤が必ずしも問題というわけではありませんが、全体的に赤い部分が増えていくのは問題です」

飯塚隊員

飯塚隊員

「時代が近づくにつれて赤い部分が増えていってる…。うわ、2020年になるともう真っ赤じゃん。おっそろしい」


パネルの映像は、2020年を超えて、さらに先の時代まで。
松谷さん
「ここからは未来のシュミレーション。これまでの観測データが蓄積されてきたことで、ある程度の予測も立てられるようになりました」

角田隊員

角田隊員

「もう青いところなんてほとんど残ってないじゃないですか…。北極のあたりは黄色や白になってきてるし」

松谷さん
「黄色や白色は、赤よりもさらに平均気温が高いということ。つまり…」

飯塚隊員

飯塚隊員

「つまり、メチャメチャやばいってことだよね」


ほかにもパネルには、海氷の減少や東京のヒートアイランド現象など、さまざまなデータが集約されています。
なかでも興味深かったのが、回遊するマグロのデータ。

豊本隊員

豊本隊員

「マグロ? それが地球環境となにか関係があるんですか?」

松谷さん
「マグロが回遊するのは、この緑色の海水温の海域あたり。大体15℃くらいですね。ですが温暖化で海水温が上昇すれば、マグロが獲れる地域も変わってしまいます」

角田隊員

角田隊員

「えっ、つまり大間にもマグロがこなくなるってこと?」

松谷さん
「そうなる可能性は大いにあるかと。すでに東京近海で獲れる魚の種類は変わってきているといわれていますから。環境が変われば、食生活も変わってしまう」
飯塚隊員

飯塚隊員

「地球の環境問題について、いろいろ言われているじゃないですか。でも、こういうハッキリとしたデータを見せられると考えざるを得ないよね。このままじゃマズイっていうのはひと目で分かるもの」

松谷さん
「そうですね。観測技術の発展によって環境の変化を“見える化”できたことは大きいです。漠然と地球環境といわれても、規模が大きすぎてイメージしづらいものですから。今の地球が置かれている現状を正しく理解するのは、未来を考えるうえで欠かせないことです」

角田隊員

角田隊員

「確かに。マグロを食べられなくなるのは嫌だもんなー」

今の地球は奇跡? 循環の大切さとは?



「地球環境について、もう少し探ってみましょう」と、松谷さんに連れられて次なるブースへ。

飯塚隊員

飯塚隊員

「いやー、それにしても次から次へだねー。どれもおもしろくて考えさせられるんだけど、説明がないとちゃんと理解できなかった部分も多いかも(笑)」

松谷さん
「これは地球の10万年前からの気温の変化を表したグラフです」と松谷さん。
「地球は46億年前に誕生してからずっと大きな環境変化を繰り返してきましたが、このグラフを見ると1万年前から安定しているのが分かりますよね。ちょうど農耕などの文明が生まれたころです」
豊本隊員

豊本隊員

「ほんとだ。ずっと横ばいが続いてる」

松谷さん
「実はこれはかなり奇跡的な状態なんです。“奇跡の1万年”とも呼ばれていて」

飯塚隊員

飯塚隊員

「確かに、グラフを見ればいつ乱れてもおかしくない気がするね」

松谷さん
「その通りで、数百年後には人間が生きられない環境となることも、全然起こりえます。ですから私たちは今の環境をなんとか守っていかなくてはならない」

松谷さん
「環境を守るには、“循環”ということが非常に重要になってきます。炭素がCO2となって大気中に排出され、樹木が光合成によって吸収し、それを食べた人間や動物の呼吸から、また大気中に出る、といった感じで」

角田隊員

角田隊員

「なるほど。その循環が乱されていることが、今の地球環境の破壊につながっているわけですね」

角田隊員
ここまでの学びの成果をいかんなく発揮する角田隊員。
松谷さん「はい。例えば地下にある石油などは、元々は循環の輪になかったものですよね。それを人間が掘り起こして使うようになったことで、地球の循環が乱れてしまっている」
飯塚隊員

飯塚隊員

「でも難しい問題だよね。今さら生活をガラッと変えるわけにもいかないだろうし…」

松谷さん
「そこで今、石油ではなく、植物からプラスチックを作るという研究が進められています」

豊本隊員

豊本隊員

「植物からプラスチック!? そんなことできるの?」


松谷さん
「例えば、トウモロコシの糖分を使ってプラスチックを作るとか。これだと石油を使用せず、使い終わったプラスチックはまた原料に戻るので、循環の輪を乱すことはないですよね」
トウモロコシは食べ物であるため、食料不足というまた別の問題が出てくるそう。しかし、その対策もすでに練られているのだとか。
松谷さん
「例えば未来の稲はこんなふうに使われるかもしれません。お米の部分は食料に使い、茎の食物繊維からプラスチックを作る。技術的にはかなり難しいですが、いろいろと研究されているところです」

飯塚隊員

飯塚隊員

「でも、これが実現すればかなり画期的なことだよね。いや、ほんとに科学ってすごいねー! 頭が下がります」

地球環境は国同士が協力すべきこと。しかし、これまで資源を大量消費して発展してきた先進国とこれからの途上国の間では、クリアしなくてはいけない問題も多いそうです。

松谷さん
「このモニターには、先進国側、途上国側それぞれの意見が表示され、議論が交わされます。自分だったらどう思うか、はいといいえのうち、賛同するほうを選んでみてください」

飯塚隊員

飯塚隊員

「なになに? “温暖化は地球全体の問題なのだから、先進国だけでなく途上国もCO2の排出を抑える必要があります”だって。なるほどねー、先進国側の意見だね」

角田隊員

角田隊員

「まあ、そりゃそうなんじゃない? みんなが協力しないと」

飯塚隊員

飯塚隊員

「でも、先進国はこれまで山ほど資源を使って、CO2を排出してきたんだよ?」

角田隊員

角田隊員

「いや、それを言いだしたらキリがないから。そんな時代じゃないのよ」


飯塚隊員

飯塚隊員

「え、でもそれってずるくないですか?」

なぜか途上国側に立つ飯塚隊員と、頑なとして先進国別の主張を通す角田隊員。
それでは2人の激論を、しばらくお楽しみください。

角田隊員

角田隊員

「正直ずるいのかもしれない。それは申し訳ないんだけど、ダダをこねてもしょうがないじゃない」


飯塚隊員

飯塚隊員

「いや、そんな言い分じゃ絶対納得できないね」

角田隊員

角田隊員

「だっていままで使わなかったじゃん! おたくらは」

飯塚隊員

飯塚隊員

「だから、これから使わせてくださいっていってんの! 傲慢なんだよ、あんたらは!」

角田隊員

角田隊員

「仕方ないでしょ、今まで傲慢でやってきたんだから! 今さら変えられませんよ!」


飯塚隊員

飯塚隊員

「なんだ、その言い分。そっちが譲らない限りはね、テコでも動きませんよ、こっちは!」

角田隊員

角田隊員

「あー、じゃあもうお金を上げますよ!それでいいんでしょ!」


飯塚隊員

飯塚隊員

「え、お金ってどれくらいですか?」

角田隊員

角田隊員

「んーと、まあ、5万、とか(笑)」


飯塚隊員

飯塚隊員

「ちょ、ほんと、さっきからおまえ何いってんの?(笑)」


飯塚隊員

飯塚隊員

「あ、すみません。この人がよく分からないことをいうから、つい熱くなってしまいました(笑)」


松谷さん
「いえいえ、熱い討論ありがとうございます(笑)。実際に、先進国と途上国ではさまざまな議論が交わされています。地球環境的には先進国側に賛同の方がプラスですが、そんな簡単な話ではないですよね」

松谷さん
「ご案内は以上になりますが、いかがでしたか?」

角田隊員

角田隊員

「いやー、すごく楽しかった! けど、情報量が多くて頭がパンクしそう(笑)」

飯塚隊員

飯塚隊員

「一人ひとりの意識を変えていくことももちろん大事ですけど、やっぱり良い未来をつくっていくためには科学の発展は絶対に必要だと感じましたね。さっきの植物プラスチックもそうですけど」


松谷さん
「そうですね。ただ、それらに頼るだけでなく、科学がもたらすメリットはもちろん、課題も理解し、なにをすべきかみんなで考えていくことが大切かと。当館に訪れたことがそのきっかけとなれば、うれしいです」

これにて、見学は終了!
科学というものは人の想像を超えて、進化し続けているものなんですね。私たちの生活を快適にする面ばかりに目がいきがちですが、どの分野にも課題があり、これから先の地球や社会のために、みんなが取り組んでいかなくてはいけません。少し難しい話もありましたが、探検隊の3人も今ごろ、より良い未来について考えをめぐらせていることでしょう。
ご案内いただいた松谷さん、そして日本科学未来館のみなさん、ご協力ありがとうございました!
取材協力/日本科学未来館
JST(国立研究開発法人科学技術振興機構)が運営する国立の科学館。“科学技術を文化としてとらえ、社会に対する役割と未来の可能性について考え、語り合うための、すべての人々にひらかれた場”であることを設立の理念に掲げ、AI(人工知能)や地球環境、生命、宇宙など、あらゆる分野の科学技術を展示している。常設展のほか、特別展も開催。ドームシアターやレストラン、ミュージアムショップも併設している。
DATA
住所/東京都江東区青海2-3-6
入館料/常設展 大人630円、18歳以下210円、6歳以下の未就学児無料
TEL/03-3570-9151
営業時間/10:00~17:00
定休日/火曜休(祝日の場合は開館)
◆◆◆
今回の取材の裏側をこちらの動画でご覧いただけます。これからも「真東京03探検隊」取材の様子をご覧になりたい方は、ぜひYouTube『東京新聞チャンネル』に登録お願いします。

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