自民・甘利明幹事長なぜ敗北? 地元では「負けるべくして負けた」と厳しい声

2021年11月1日 21時28分
 衆院選神奈川13区では、自民党幹事長の前職甘利明さん(72)が立憲民主新人の太栄志さん(44)に敗北した。地元の自民党県連は「負けるとは思わなかった」と言葉を失ったが、有権者や陣営に聞くと、甘利さんの「政治とカネ」の問題や太さんの「熱意」が勝敗を分けたと指摘する声が多く聞かれた。(村松権主麿、丸山耀平、志村彰太)

選挙戦終盤、地元で街頭演説する甘利明さん=10月29日、神奈川県海老名市の海老名駅前で

 「甘利さんは政治とカネの問題で地元での信頼が足りていない」。有権者の神奈川県大和市の無職男性(77)は1日、同市の大和駅近くでこう話した。知人の支援者から甘利さんの応援を頼まれたが、断ったといい「甘利さんは負けるべくして負けた」と切り捨てた。太さんに投票したという同市の男性会社員(30)は「甘利さんを地元で見たことがなく人柄が分からない。太さんからは熱意を感じた」と語った。
 甘利さん陣営の選対本部長の藤代優也県議(50)は金銭授受問題に関して「本人は説明を果たしている。直接の敗因かどうかは検証しなくてはいけない」と言葉少な。別の陣営関係者は「(金銭問題を)野党に利用された」と恨み節の一方、太さんについて「あれだけ歩き、顔を売るのは見事だと思う。今回は太さんの運動量が勝利した」と競り負けた原因を分析した。
 太さんは4年前、希望の党から神奈川13区に出馬し、甘利さんに2倍以上の票差をつけられて大敗。しかし、諦めずに活動を続け、ほぼ毎日駅頭で演説し、有権者の声を聞き続けた。
 共同通信が実施した衆院選出口調査によると、太さんは幅広い有権者に浸透していた。立民や国民民主、選挙協力をした共産や社民の各党支持層を固めるだけでなく、公明支持層の32%、自民支持層の21%に食い込んだ。女性の56%は太さんに投票。年代別では、60代を除く全年代で甘利さんより多くの支持を集め、岸田文雄内閣を支持する層の32%が太さんに投票した。
 公示直前に共産党が候補を取り下げ、一騎打ちの構図となった影響も大きかった。1日未明、大和市内の事務所で万歳した太さんは「自公政権と対峙するには、野党も力を合わせる必要がある」と「共闘」の意義を語った。
 立民県連の阿部知子代表は「13区は野党統一候補を求める根強い声があった。日ごろから活動した(太さんの)下地があったからこそ、一本化が実現できた」と称賛した。
衆院選2021
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