救急救命士学習にVR機器活用 中央区のIT企業が映像を制作 江戸川の専門学校で実習

2021年11月2日 07時10分

VR機器を装着し、心肺停止となった救急患者の蘇生に取り組む様子を映像で体験する学生たち=江戸川区の東京医薬専門学校で

 救急救命士の資格を取るための臨床実習に仮想現実(バーチャル・リアリティー=VR)を導入する試みが都内で進められている。救急救命士法の改正で医療機関に到着するまでの間に限られていた救急救命士の医療行為が、到着後も救急外来内でなら十月から可能となった。実践的な学習が必要となり、教育支援のVR技術などを開発する中央区のITベンチャー企業が実習用の映像を制作した。(小松田健一)
 開発したのは「ジョリーグッド」。映像は食事をのどに詰まらせ、心肺停止状態となった高齢女性が大学病院へ救急搬送された様子を特殊カメラで撮影。心臓マッサージや気道を確保するための挿管などが三六〇度の範囲に映し出され、一分一秒を争う中で医療従事者が蘇生に奮闘する緊迫感や臨場感が伝わる内容となっている。
 先月二十七日には、江戸川区の東京医薬専門学校で映像を使った実習があり、二年生四十人が参加。学生たちは専用ゴーグルを装着して映像を見ながら、医療従事者の動きや、処置室内でどのような機器類が使われていたかを確認。資格を持たない実習生が現場で何ができるかを話し合った。
 授業を終えた阿部嗣音(しおん)さん(20)は「自分がその場にいるような感じがした。救急救命士は患者へ最初に接触する医療従事者。安心してもらえるよう学んだことを生かしたい」と話した。
 同校の二年生は来年から、救急救命士国家試験の受験に必要な医療機関での臨床実習が始まる。救急救命士科の阿部健学科長は「実習を前にした学生が具体的に何をするべきかを学ぶには、有益な方法だと思う」と話した。

救急救命の現場で実際に撮影された映像を使用したVR映像の一場面=ジョリーグッド提供


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