<記者解説>衆院選神奈川 共通点の多い政策 つかみどころなく

2021年11月2日 07時14分
 有権者にとって、つかみどころのない選挙戦だったのではないか。新型コロナウイルス対策や「分配」など、各党の政策は共通点が多い上に、解散から投票までの期間が短く、じっくり比べる余裕もない。演説を聴こうにも「『密』になるから人集めができない」「対抗勢力からの妨害が入る」などの理由で、街頭活動の予定を公表しない候補もいた。期待された論戦は深まらなかった。
 現場を取材すると、新型コロナ対策や景気低迷を巡る「自民への不信感」を感じることはあったが、立憲民主など野党への積極的な支持につながったかは疑問だ。立民や維新などは議席を増やしたとはいえ、いくつかの選挙区では与党候補の不祥事や保守分裂など、「構図」に助けられた。野党共闘の一翼を担う共産は議席を失った。これに対し、自民は一部で比例復活に甘んじたものの、議席数を維持し底力を見せた。
 自民は野党共闘を「政策が異なる政党同士の野合」と批判したが、「民主主義対共産主義」とのレッテル貼りは気持ちのいいものではなかった。一方、立民と共産が訴えた「政権交代」は、どれほど本気度が有権者に伝わっただろうか。政権交代した二〇〇九年選挙の時は「次の内閣」と称して選択肢を示していた。本当に政権交代を目指すなら、閣僚人事の案を出すなどしてほしかった。
 論戦の舞台は国会に移る。与野党ともに選挙戦で掲げた政策を「空手形」に終わらせないために、当選に慢心せず、県民の気持ちや生活の実情と向き合い、中身のある議論を本気でしてほしい。(志村彰太)

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