「個人商店」からの脱却なるか 枝野氏辞意表明の立憲民主党 国会や参院選での野党共闘深化も課題

2021年11月3日 06時00分
 政権選択の衆院選で、勢力が後退した野党第1党の創業者が退場を決断した。立憲民主党の枝野幸男代表は2日、議席減に終わった責任を取って辞意を表明。結党から4年で規模を倍増させ、野党共闘に導いた手腕には評価の声がある一方、自らの思うままに党運営を進めているという不満も足元でくすぶっていた。党は大きな転換点を迎え、次に先頭に立つリーダーは「個人商店」からの脱却とあわせ、共闘のあり方という課題にも向き合うことになる。(我那覇圭、大野暢子)

◆枝野氏「いい戦いはした」

 枝野氏は2日の党会合で衆院選に関し「いい戦いをしたという思いはある。ただ、政治と選挙は結果だ」と陳謝。10日召集の特別国会をもって身を引く考えを明らかにした。
 立民が結党されたのは、2017年の衆院解散直後。野党第1党だった民進党が、小池百合子東京都知事が率いる希望の党に合流する際、声がかからなかった議員をまとめる形で枝野氏が立ち上げた。
 その衆院選では、小池氏が自身と主張が異なるリベラル系議員を「排除します」と発言したことに世論が反発。SNS上では「#枝野立て」がブームとなり、立民は希望を上回る55議席を得て「戦後最少の最大野党」(枝野氏)の座を確保した。枝野氏は野党候補の乱立で自民党が漁夫の利を得た反省から、他の野党との連携を深め、昨年9月には国民民主党の一部を巻き込んで衆参150人規模の政党を誕生させた。

◆「個人商店」に不満くすぶる

 もっとも、勢力は拡大しても結党当初と同じ枝野氏一強の色合いは残った。党内には、野党共闘のあり方や党の政策などの重要事項を枝野氏ら一部の幹部だけで決めているとの不満がくすぶっていた。
 党中堅議員は「規模が大きくなった今、『個人商店』ではやっていけない。秘密主義ではなく、風通しの良い党への刷新が必要だ」と主張する。

◆野党共闘の行方は

 リーダーの交代は、枝野氏が主導してきた野党共闘の行方にも影を落とす。衆院選で結果を出せず、支持組織の連合内からも見直しを求める意見が公然と噴き出しているからだ。
 立民は今回、共産、国民民主、れいわ新選組、社民の4党と協力。289ある小選挙区のうち213で候補を一本化したが、59勝にとどまった。執行部は、前回よりも接戦区が増えたことを踏まえ「共闘があったからこそ競り合った」(福山哲郎幹事長)と成果を強調するが、別の幹部は「共産党と組んだのは失敗だった。(公示前の62から39へと落ち込んだ)比例代表の獲得議席が物語っている」と指摘。連合の芳野友子会長も「有権者に受け入れられなかった」と手厳しい。
 特別国会後に行われる次期代表選では、野党共闘のあり方も争点になる。ただ、次の戦いの場となる来夏の参院選も、改選1人区は野党候補を一本化できるかが勝敗の鍵を握るのは間違いない。安住淳国対委員長は「現実を考えれば枝野氏の戦略はベストだった。足りなかったものをプラスしていける新体制になればいい」と記者団に強調した。

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