<民意のゆくえ> 立共の共闘は「同床異夢」 「結果だけ見れば惨敗だ」 維新躍進で比例伸びず

2021年11月3日 07時06分

野党統一候補として小選挙区で勝利した奥野総一郎さん(中央)=四街道市内で

 「共産は共産で動き、立民は立民で動いた。要するに選挙区調整がうまくいったと言うこと」。9区で自民党の前職との一騎打ちを制した立憲民主党の奥野総一郎さんは野党統一候補について評価した。一方で「もう少し取れてもおかしくなかった。政権を目指すのなら半分は取らないと」と結果について物足りなさを口にした。別の陣営関係者からは「結果だけ見れば惨敗だ」との声も聞かれた。
 今回の衆院選では立憲民主党、共産党、れいわ新選組など野党が候補者調整を行い、十選挙区で競合を回避した。「野党共闘」とも称されたが、選挙戦では同じ会場で互いを応援演説する場面はあまり見られなかった。連合千葉の関係者は「組合員の中には『共産党と一緒では支援できない』という声も多い。選挙戦では各陣営とも非常に気を使ってくれた印象だ」と話した。
 今回、共闘が機能したと言える9区では、野党統一候補として奥野さんは約十万七千票を獲得して勝利した。共産候補が出馬した前回は奥野さんが約七万六千票、共産候補が約二万八千票。今回、共産支持層の票数が上乗せされたことが、勝利につながったとみられる。
 一方で、野党は比例代表で得票を伸ばせなかった。県内の比例得票は立民が約六十万九千票と前回から約二万四千票の上積みにとどまり、共産が約七千票減らしたのに対し、自民は九万九千票増やした。また、日本維新の会は、約十万票だった前回から約三十万九千票と大幅に増やした。
 共産党の小倉忠平県委員長は野党共闘を肯定的にとらえつつ、「大きな制約だった」と漏らす。今後の野党共闘のあり方について、「自公政権に対する受け皿として意義を感じた。今後も強めていきたい」と前向きにとらえる。
 だが、立民陣営の関係者は複雑な思いを明かす。「野党統一候補の擁立は自公政権打破と政権交代という共通目標のため。共産のバックアップはありがたいが、立民支持層の中には共産党のイメージから敬遠する人もいる。『共闘』という言葉すら使いたくないのが本音」
 連合千葉の永富博之会長は小選挙区での勝利を評価しつつ、「立民も共産におんぶに抱っこではなく、確固たることをやっていかないといけない」と注文を付けた。(山口登史)
     ◇
 十月三十一日投開票の衆院選は、小選挙区で前回十二選挙区で勝利した自民党が九議席に減らし、立憲民主党が四議席を獲得した。だが、比例復活を含めた議席数は、公示前と比べ、自民が十二と一つ減らし、立民は七から五と二つ減らした。候補者一本化を進めた野党が十分な議席を得ることができず、ベテランを中心に与党が苦戦を強いられた要因はどこにあるのか。上下二回に分けて検証する。
衆院選2021
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