コロナ禍 仮放免の外国人増加も生活支援は皆無 移民・難民の生活医療相談会に140人 東京・千代田区の教会

2021年11月3日 21時00分
聖イグナチオ教会で行われた移民や難民のための医療相談会=3日、東京都千代田区で

聖イグナチオ教会で行われた移民や難民のための医療相談会=3日、東京都千代田区で

 コロナ禍における移民・難民のための生活医療相談会が3日、東京都千代田区の聖イグナチオ教会で開かれ、外国人約140人が医療や生活相談を受けた。主催したNPO法人「北関東医療相談会アミーゴス」の長沢正隆事務局長は「入管から仮放免になった外国人の多くが、仕事もできずに健康を害している。政府には、命を守るためにも健康保険証を出してほしい」と訴えた。(望月衣塑子)
 長沢氏らによると、相談会に訪れたのは、カメルーンやナイジェリア、ベトナム、ミャンマー、スリランカなど出身の外国人。多くが難民申請中だが、許可が下りないため、仕事もできず、健康保険証も持てないため、病院にも行けず、日々の食事含め、生活に困窮する状態だという。
 医療相談で最も多いのがうつ病で、他に心疾患や末期がんなどの患者もいるが、治療する場合、正規の2、3倍の高額な治療費を大学病院などから求められるという。
 相談会に長女(3つ)、妻と3人で訪れたスリランカ人男性(42)は、2016年に来日。長女は日本で生まれたが、心臓の疾患が発見され手術した。その際は、健康保険が適用されたが、難民申請が拒否されると、保育園への入園も保険証も認められなくなったという。
 男性は「日本で生まれた娘のこれからが心配だ。適切な治療や教育をせめて娘には、受けさせて欲しい」と訴えた。

◆支援団体「政府は健康保険証の発給を」

 08年に来日し、難民申請中のカチン族のミャンマー人女性(48)は「難民申請が認められず、仕事ができない中で一番心配なのは健康。今日は、健康診断につないでもらえると聞き訪れた」と不安な顔で話した。
 18年に来日したというミャンマー人男性(28)は「3カ月前に仕事を失い、保険もない。のどが痛く体調もよくないので相談したくて」と声を落とした。
 アミーゴスは、今後、訪れた全外国人の健康診断の費用を負担して、健康診断を病院で受けさせる方針。疾患などが発見されれば、別途手術を含めた対応なども検討する。
 アミーゴスは、これまで国の無料低額診療事業を使い外国人の治療を実施していたが、コロナ禍以降、同事業の日本人の利用者が急増し外国人が受けることが厳しくなっている。
 長沢氏は「出入国在留管理庁は、コロナ禍で仮放免者をたくさん出しているが、医療や生活支援は皆無。寄付での支援には限界がある。外国人の命と健康を守るためにも、厚労省とともに健康保険証の発給を検討してほしい」と強調した。

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