<民意のゆくえ>自民県連「痛み最小限」 逆風の中、ベテラン苦戦 新人の快勝「2人分の活躍」

2021年11月4日 07時12分

前職が不祥事で離党した13区で初当選した新人の松本尚さん(左)。選挙期間中、今井絵理子参院議員も応援に駆け付けた=10月26日、印西市で

 衆院選から一夜明けた一日、自民党の重鎮県議は「ダメージを最小限に抑えた。政権への不満で逆風も少し吹く中、勝ち切れない立民に助けられた」と安堵(あんど)の表情だった。小選挙区で九勝四敗(前回十二勝一敗)も、三議席は比例復活で議席数自体は解散前から一減の十二を堅持。「10区の勝ちが大きい。あれがひっくり返されていたら、県連として負けたという雰囲気だった」と打ち明けた。
 新型コロナウイルスや政治とカネの問題など、自民の政権運営能力が問われた選挙だった。「安倍首相が途中で辞めて菅政権になり、新型コロナの問題が出てきた。政権に対する不満は潜在的にあり、安倍さんを巡るいろんな問題に対する有権者の批判は根強く残っていたのでは」。自民党県連の浜田靖一会長は今回の苦戦をこう分析した。
 保守王国・千葉の天下分け目となったのは10区。林幹雄さんは、党内規の「比例七十三歳定年制」で比例重複できず、負ければ政治生命の危機だった。後援会の一部が立民候補に移る異例の事態を招き、選挙区内に怪文書も流れた。林さんの落選運動を掲げる諸派新人も参戦。選挙戦終盤、林さんの支援者からも「今回は相手の勝ちだろう」と半ば諦めの声が聞かれていた。約二千八百票差での勝利に、浜田会長は「かなり心配していた。林さんが踏みとどまってくれたのは大きな勝利」と評価した。
 同じベテランで8区の桜田義孝さんは落下傘候補の立民新人に敗れた。惜敗率60・3%で、13区で敗れて復活できなかった立民前職の79・5%と比べて開きがあったが比例復活の最終議席に滑り込んだ。県内政界関係者は「立民は共産と組んだ弊害が比例に表れ、助けられた」と評した。
 一方で光明もあった。13区は前職が不祥事で離党。今回、県内小選挙区で唯一の新人候補だった医師の松本尚さんが快勝した。立民の前職と、首長経験者の維新の新人候補に比例復活を許さなかった。
 自民県連幹部は「比例復活も阻み二人分の活躍をしてくれた」と喜んだ。選挙スタッフの一人は「コロナ禍で医師の肩書は強い。九月までは苦戦気味も公示前から手応えが出てきた。不祥事を切り離して一人の候補者として評価してもらった」と分析した。
 来夏には参院選を控える。当選したある自民前職は「次の衆院選は四年後ということはまずない。常在戦場だ」。戦いは既に始まっている。(中谷秀樹)=おわり
衆院選2021
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