<ニュースあなた発>核禁条約批准 大学生が請願 早稲田大4年・青木秀介さん「核で住む地を奪われた人のいる加須から」

2021年11月4日 07時13分

市議会に提出した請願を持つ青木さん=加須市で

 政府に核兵器禁止条約への署名、批准を促したい−。そんな思いを抱いた加須市の大学生が今秋、地元の市議会本会議場で意見を述べた。議会の賛同を得るまでには至らなかったが、「核兵器の問題を広めることができた」と活動を振り返った。(寺本康弘)
 議場で訴えたのは、早稲田大文化構想学部四年の青木秀介(ひでゆき)さん(22)。ノーベル平和賞を受賞した非政府組織「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」の国際運営委員、川崎哲さんの講義を大学で受け、活動の趣旨に共感した。自分には何ができるだろうかと思い巡らせ、たどり着いたのが地元の市議会への請願だった。
 市内には十年前の東京電力福島第一原発事故で、福島県双葉町から避難してきた人たちが今も暮らす。「核によって住む土地を奪われた人たちのいる地元で訴えることには意味があるのではないか」と考えた。
 ただ、請願を議会に提出するには地方自治法の規定で議員の紹介が必要になる。青木さんはこれまで政治や議会に特別に関心があったわけではなく、市議に知り合いはいない。市議会のホームページで全六会派の中心になっていそうな市議を調べ、思い切って電話をかけた。
 趣旨を説明しても「国が決めることだから」などつれない反応ばかりだったが、それでも最後に理解してくれる議員が見つかり、提案につながった。
 請願が審議された九月十五日の総務常任委員会。通常は委員会室で行われるが、新型コロナウイルス感染防止のため、広い本会議場で行われ、青木さんは議員席から意見陳述した。
 請願を出す経緯や条約の実効性について訴えた上で、「加須市でも若い方々にも核兵器の悲惨さ、凄惨(せいさん)さは周知されている。市議会議員の皆さまには熟慮の上、ご判断をいただきたい」と呼び掛けた。
 市議会事務局によると、大学生が請願の意見陳述をするのは二〇一〇年の合併以降では初めて。結果は賛成少数により不採択だったが、複数の議員が賛成した。
 青木さんは「傍聴者もいて、問題を伝えることができたし、市議に会員制交流サイト(SNS)で発信してもらい広めることができた」と意義を語り、「今後も核兵器禁止条約の批准に向け賛同者を増やしていきたい」と意欲を燃やした。

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