伊方原発3号機の運転容認 広島地裁が被爆者ら7人が運転禁止を求めた仮処分申し立てを却下

2021年11月4日 16時04分
四国電力伊方原発3号機の運転差し止めを求めた仮処分で、広島地裁に向かう住民側=11月4日午後(共同)

四国電力伊方原発3号機の運転差し止めを求めた仮処分で、広島地裁に向かう住民側=11月4日午後(共同)

 四国電力伊方原発3号機(愛媛県)の運転禁止を求め、被爆者の女性を含む広島、愛媛両県の住民7人が申し立てた仮処分について、広島地裁(吉岡茂之裁判長)は4日、申し立てを退け、運転を容認した。住民側の弁護団は「違法不当な決定を認めることができない。直ちに広島高裁に即時抗告をする」とコメントを発表した。
 伊方3号機は2019年12月の定期検査以降、停止中。20年1月に山口県内の住民が申し立てた仮処分の即時抗告審で、広島高裁が運転禁止を命じた。だが、この命令は21年3月の異議審で同高裁が取り消した。
 争点は、四国電力が定めた原発の耐震設計の目安となる揺れ「基準地震動」が妥当かどうかだった。決定は「基準地震動を上回る規模の地震が発生するような具体的な危険があるとはいえない」と判断した。
 住民側は1000ガル以上の地震動が測定された地震が国内で多くあり、四国電力が定めた650ガルという基準では過小評価だとし、南海トラフ巨大地震で想定する181ガルも不合理だと主張していた。
 一方、四国電は基準地震動は原子力規制委員会の審査で認められている上、地盤や地震の震源といった特性を踏まえずに他の観測地点のデータと比較するのは不適切だと反論していた。
 住民側の弁護団が公表した決定骨子では、「過去の地震の震源や観測点の地盤の特性が地震動に与えた影響を分析し、伊方原発の地盤に合わせて補正しないまま全国各地で実際に観測された地震動の値を引用するだけでは、伊方原発にも同じような地震動をもたらす地震が発生する具体的危険性があるとはいえない」としている。
 四国電力は10月中の再稼働を目指していたが、職員の保安規定違反が発覚し、再稼働の時期を未定に変更した。今後、地元自治体の理解を得て再稼働する予定。(小川慎一)

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